M走10kmを5kmで切り、霧と湿度の湘南で10kmを1km変化走に組み替えた31km。レディネス34とSuperblast 3が示した「設計より身体」

M走10kmを5kmで切り、霧と湿度の湘南で10kmを1km変化走に組み替えた31km。レディネス34とSuperblast 3が示した「設計より身体」

2026年4月5日。今日の実験は、紙の上の30kmより先に「現場の熱と霧」が割り込んできた。それでも距離は減らさず、中身を組み替えて走り切った。

📌 この記事の結論
  • レディネス34は「寝不足」ではなく溜まり方の警報——睡眠スコア86と並ぶと、主観の軽さより積み上がり疲労を疑うのが合理的である。
  • M走は5kmで切って正解——心拍がLTHR帯に張り付く区間を延ばすより、品質を落とさず距離を守る方が週110km設計では損が小さい。
  • 残り10kmの1km変化走は代償のない遊びではない——遅いキロと速いキロの差が大きいほど、脚と神経系への刺激はロングの延長線上に残る。
  • Superblast 3は設計変更日の保険——厚みと弾みで、E〜M〜変化の幅を一足で受け止める日だった。
エンティティ値(本記事での参照)
VO2max61
LTHR179bpm
LT Pace3:57/km
MP目標帯4:15/km前後(サブ3想定)
本日のシューズSUPERBLAST 3
目次

📊 Condition:睡眠は良いのにレディネスが低い日

項目数値
睡眠スコア86
トレーニングレディネス34
HRVステータス87

Garminの睡眠スコア86は、少なくとも「昨夜の睡眠の出来」だけを見れば悪くない。一方でトレーニングレディネス34は、直近の負荷・回復バランスとしては明確に下側である。HRVステータス87は機種・アルゴリズム次第で解釈幅があるが、レディネス単体を上書きする材料にはしにくい。

寝起きは肩に重さがあったが、走り出し前には感覚が薄れた。ここが危ない。主観が軽い日ほど、数値の方が「まだ抜けていない」を言いやすい。日曜ロングは週110kmのなかで脚筋力と持久力の柱になる。日曜ロングの週次上の位置づけは週110kmを維持する方法:ライフスタイルから導き出した数学的最適解【サブ3達成への戦略】に書いた。その柱を立てる日に34を抱えたまま入るのは、快調ログのときよりリスクが一段上がる。

🎯 Intention:30kmの設計と、現場での組み替え

当初の設計は、15kmをE、続く10kmをM、最後5kmをLT付近で30kmとするものだった。サブ3を前提にすると、Mはおおよそ4:15/km前後が基準になる。LTは私のLTHR179bpm・LT Pace3:57/kmから見て別次元の刺激になる。この前提はLTHR 179bpm、LT Pace 3:57/kmを活かす:閾値走の実践的活用法【サブ3達成への戦略】と同じラインだ。

前半15kmは問題なく消化できた。問題は、その後に続くはずだったM10kmのうち、走行距離15〜20km相当が、暑さ・湘南の濃い霧・高湿度と重なって最もきつい帯になった点である。ここで10kmのMを押し通すと、後続のLT5kmは形骸化し、週次全体の回復コストだけが膨らむ見込みが高い。

そこでMは5kmで切り、残り10kmを1kmごとにペースを変えるファートレクに切り替えた。さらに残り1kmはダウンとして、総距離は31km前後で完走した。メニュー名は変わったが、「日曜に距離を積む」という週間戦略上の目的は維持した。

🏃 Data Result:平均は穏やかに見えるが、中身は二層構造

項目数値
走行距離31.01 km
タイム2:29:52
平均ペース4:50 /km
平均心拍数158 bpm
最大心拍数189 bpm
平均ピッチ179 spm
平均ストライド1.15 m

全体平均4:50/km・平均心拍158bpmは、一見すると「強めのロングだが抑えめ」にも読える。しかしラップを層に分けると話が変わる。おおよそ1〜15kmは心拍が140台前半〜中盤を中心に推移し、16〜20kmは心拍が170台後半まで上がり、M相当の負荷が短く濃く入った。21〜30kmは1kmごとに遅いキロ(5:18〜5:52/km)と速いキロ(4:09〜4:14/km前後)が交互に立ち上がり、平均を中和しつつ神経筋は休まない。

📈 Analysis:なぜ「設計変更」が最適解に近かったか

区間おおよその距離データ上の傾向
E1〜15km心拍おおむね140台中心
M16〜20km心拍169〜180bpm、4:09〜4:35/km
変化走21〜30km明暗1km交代、速いキロでHR再浮上

Mブロック(約16〜20km):環境と心拍が同時に騒いだ帯

Fact:この5km帯はラップタイムが4:09〜4:35/kmと幅があり、心拍はおおむね169〜180bpmまで達している。私のLTHR179bpmと並べると、持続させるべきか即断すべきかの境界線に足がかかっている。

Qualia:周囲が暑く、霧で湿度が高い。視界と皮膚感覚が「本番っぽさ」を増幅させ、同じペースでも内側のRPEが跳ねやすい。

Analysis:Mは「レースの背骨」だが、背骨を鍛える練習を湿度と低レディネスで延長すると、背骨ではなく交感神経側が先に摩耗する。5kmで切ったのは撤退ではなく、同日の距離目的を守るための戦略的短縮である。

ファートレク10km(約21〜30km):平均を誤魔化さない変化幅

Fact:遅いキロと速いキロの差は、ペースにしておおよそ1分/km以上開くラップが複数ある。速いキロでは心拍が再び170台後半に戻る一方、遅いキロでは140台後半〜160台に落ちる。

Qualia:普段あまりやらないメニューだが、変化そのものが気持ちよく、ロング後半の単調さが薄れた。

Analysis:これは遊びではなく、疲労下でのペース切り替え訓練に近い。サブ3本番で起きる「崩れ方の多様性」に対して、一定ペースのロングだけより適応の種類が増える。代償として、速いキロでのストライド・パワー負荷はログ上も高く、翌日以降のレディネス監視が必要になる。

距離31kmとダウン1km:週次設計との整合

Fact:概要行の距離・タイムは31km超、最後に極短ラップが付く構成で、実質的にロング+クールダウンだ。

Qualia:走り終えた後の充足感が強い。

Analysis:LT5kmを捨てた代わりに、変化走で刺激の種類を確保し、ダウンで血管系を落とした。完走した事実は、低レディネス日の自信材料になりうるが、同時に「毎週再現すべき勝ちパターン」に昇格させると危険である。

👟 Gear Choice:Superblast 3は「幅のあるロング」の器

今日はEからM、さらに1km単位の明暗が激しい区間まで一足で踏む。試走から長距離での印象のベースは【実走レビュー】SUPERBLAST 3:SB2の安定感 × NB5の弾む感覚!SB2を700km走ったランナーの結論にある。Superblast 3は、その幅を「足元の事故」に変換しにくいバランス型だ。推進の快感よりも、距離を誤魔化さずに足を守る日の選択として妥当である。

🎯 Next Strategy:翌日以降の数値トリガー

  • レディネスが再び40前後まで戻るまでは、インターバルやLT連続を増やさず、Eと短い刺激で様子を見る。
  • 肩の重さや踵・内側広筋の張りが増したら、距離より睡眠と歩行負荷を優先する。
  • 次回同様の「設計変更ロング」をするなら、気温・湿度が高い日はMブロック距離の上限を最初から5kmに縮め、後半を変化走またはストディ状態に寄せる案を最初から紙に書いておく。

❓ FAQ

M走を10kmで完遂できなかったのは失敗か。

失敗ではない。心拍と環境が重なった区間で距離を伸ばすと、同日の後半と翌週の質を落とすタイプの負荷になりやすい。5kmで切って距離31kmを守った方が、週110kmの文脈では損が小さい。

レディネス34の日にロングをやるのは無謀ではないか。

一般論として推奨はしない。ただし睡眠スコアと主観が良い一方でレディネスだけ低いときは、積み上げ疲労のサインとして扱い、メニュー中身を柔らかくする条件付きで限定的に許容する、という判断もある。本日はまさに中身の組み替えがその保険になった。

ファートレクは今後も週次に入れるべきか。

毎週は不要だ。ただしロング後半の単調さや、湿度の高い日のM持続が怪しいときの代替メニューとして、データと翌日のレディネスで効果を監視しながら月に数回試す価値はある。

📊 Appendix:全ラップデータ

スクロールできます
ラップタイム累積距離(km)ペースGAP心拍心拍max上昇(m)下降(m)パワー(W)W/kgパワーmax最大W/kgピッチ接地(ms)GCT歩幅(m)上下動(cm)上下動比(%)最高ペース最高ピッチ
15:21.85:21.81.005:225:19129138862854.963726.471742471.088.88.34:41192
24:50.010:121.004:504:58140144043025.253766.541752361.169.07.84:18184
34:50.615:021.004:514:51145149363025.253425.951792351.159.07.84:28184
44:57.620:001.004:584:56147152242965.153636.311782381.139.07.94:39182
55:20.325:201.005:205:101461572052985.183936.831742461.058.78.44:12182
64:53.630:141.004:544:561491532122895.033385.881792361.159.07.84:32186
75:24.235:381.005:245:191461521082764.803606.261732471.078.98.44:51181
84:57.940:361.004:584:59150155102895.033285.701752371.138.97.94:33184
94:45.845:221.004:464:51142153032734.753255.651792331.168.97.74:14186
105:00.850:231.005:014:58154163732704.703425.951792391.118.88.04:38182
114:53.255:161.004:534:56155159392604.523055.301822341.128.77.84:31188
124:46.91:00:031.004:474:41154161322874.993375.861792331.189.07.74:30184
134:41.91:04:451.004:424:47155159012724.732874.991802331.168.97.74:31186
144:46.81:09:311.004:474:42158163432804.873195.551802321.179.07.74:27184
154:47.61:14:191.004:484:51158161032684.662824.901812331.148.87.74:38186
164:09.21:18:281.004:094:10177189113115.413435.971862141.298.96.94:00190
174:16.61:22:451.004:174:17179183013015.233105.391842191.279.07.14:13188
184:21.21:27:061.004:214:26175185002895.033085.361812211.238.97.24:13190
194:34.81:31:411.004:354:38169184012824.903015.231812291.198.97.54:18185
204:13.91:35:551.004:144:14180184023105.393435.971832191.299.27.14:05188
214:39.31:40:341.004:394:41154176002854.963385.881782311.199.07.64:08182
224:13.91:44:481.004:144:19169180003085.363756.521782171.299.17.03:53190
235:18.31:50:061.005:185:17164180022574.473305.741782441.058.68.24:08183
244:12.21:54:181.004:124:11180187423415.934117.151842171.299.17.03:42190
255:37.41:59:561.005:375:37160183102514.373175.511782491.008.48.54:20181
264:09.52:04:051.004:104:11177184023385.883806.611862141.298.96.93:53192
275:52.82:09:581.005:535:53146178102444.243466.021762540.968.48.84:08180
284:10.72:14:091.004:114:11171184323335.794207.301832151.309.06.93:27200
295:41.12:19:501.005:415:41157183202374.123155.481752530.998.68.74:32181
304:19.22:24:091.004:194:28176184852995.204217.321742241.269.27.33:32192
315:40.22:29:491.005:405:45151172192484.313245.631722541.028.88.75:12178
320:02.52:29:520.015:546:09156157002103.652243.901652760.929.09.75:51167
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この記事を書いた人

RuncersLAB運営。フルマラソンでの目標達成に向けて、論理的かつ科学的なアプローチでトレーニングに励む市民ランナー。 現在は「週110km」の走行をベースに、Vo2MAX61を基準とした独自のメニューを追求中。自身の体験とデータに基づき、42.195kmを「使い切る」ための戦略やギアレビューを発信しています。

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