「Superblast 3を持っているなら、ネオビスタ3は必須ではない」——これが、MIZUNO NEO VISTA 3を初日に20km走った私の、率直な結論だ。
週110km、サブ3を目指すランナーとして、私はロング走とEペースの主力にSuperblast 3とEVO SLを使ってきた。その同系統の一足として、そしてHyperwarppureで本気を見せ始めたミズノの2026年最新作として、ネオビスタ3に強い興味があった。だが20km走り終えて残ったのは、絶賛ではなく「悪くはない。ただ、私の枠には収まりきらない」という冷静な評価だった。良いシューズだ。しかし、誰に何を勧めるかを間違えてはいけない一足でもある。
- 正体は「溜めて返す」プレートトレーナー——一度沈んでから反発が返る。EVO SLのような高速レスポンスではなく、Superblast 3の感触に近い
- 最大の武器は「速度維持」——プレートが踏み方に関係なく一定の反発を返す。気づいたらペースが落ちている、が起きにくい
- 最大の弱点は「重さ」——26cm実測250g。Superblast 3より約30g重い。スーパートレーナーの中では相当重い部類
- Superblast 3の後継にはならない——反発の差はわずか、重量は明確に不利。SB3を持つ人に「買い替え」を勧める理由は見つからなかった
- 刺さるのは別の層——サブ4を狙う人、初めてのプレートシューズを探す人、一回の反発でポンポン進む走り方の人には強く勧められる

📊 Specification:ネオビスタ3の基本スペック
MIZUNO NEO VISTA 3は、2026年6月19日発売・定価¥24,200のスーパートレーナーだ。最大の更新点は3D形状にアップデートされたグラスファイバー強化ナイロンプレート。カーボンではなく、あえて柔軟性のあるナイロン系を使い、横ブレ抑制と「脚を残す」推進を両立させている。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 発売日 | 2026年6月19日 |
| 定価 | ¥24,200(税込) |
| 重量(公式) | 約265g(27.0cm片足) |
| 重量(実測) | 250g(26.0cm・本記事の個体) |
| スタック高 | ヒール44.5mm / フォア36.5mm |
| ドロップ | 8mm |
| ミッドソール | MIZUNO ENERZY NXT(Nitrogen Infused・トップ層12%増量)の2層構造 |
| プレート | 3D形状グラスファイバー強化ナイロンプレート |
| ソール構造 | SMOOTH SPEED ASSIST |
| アウトソール | X10ラバー(細く深い溝) |
| アッパー | シームレスニット(かかとスポンジ追加) |
| 原産国 | ベトナム |

スペック表で読者がまず確認すべきは2点だ。プレートの有無——「あり」。そして重量——「重い」。この2つが、後述するすべての評価の起点になる。
👟 First Impression:足入れの気持ちよさは、間違いなくミズノ最上級
履いた瞬間の第一印象は「気持ちいい」だ。ミズノのトレーナー系——ネオゼンなども含め——は、見た目からフィット感と履きやすさが伝わる構造をしている。ネオビスタ3もその例外ではなく、足を入れた瞬間の収まりの良さは、手持ちのどのシューズと比べても上位に来る。
特筆すべきはかかと周りの柔らかさだ。ここが非常に柔らかく、踵をしっかり保護してくれる。タクミセン11で左足の踵の痛みに苦しんだ経験がある私にとって、この踵まわりの安心感は明確な加点だった。足入れの段階だけなら、文句のつけようがない。
付け加えておくと、私はネオビスタ2を走ったことはない。だが店頭で足入れは何度もしていた。その時の感覚が、むちゃくちゃ好みだったのだ。トランポリン構造のようなふわふわ感に、プレートが効いている履き心地。あの感触が忘れられず、ネオビスタ2を買おうか迷っているうちに「3が出る」と聞き、待った。そして発売と同時に手に入れた。期待値は、決して低くなかった。
🏃 First Run:濡れた路面・20kmで掴んだ「重さ」と「溜め」
初走でいきなり20kmを走った。結論から言えば、ネオビスタ3は「溜めて返す」プレートトレーナーであり、軽快な高速シューズではない。アップダウンの激しいいつものジョグコース、しかも前日の雨で濡れた路面という条件で、慎重に脚を運んだうえでの実感だ。
| 観点 | EVO SL | Superblast 3 | NEO VISTA 3 |
|---|---|---|---|
| 反発の出方 | 高速・即レスポンス | 溜めてから返す | 溜めてから返す+プレート押し返し |
| 体感重量(26cm) | 軽い(224g級) | 軽い(約220g台) | 重い(実測250g) |
| 合う走り | ピッチ型・高回転 | ピッチ〜万能 | 一発の反発で進むストライド型 |
最初に来た印象は、ただ一つ。「重い」だ。Superblast 3の後継候補として買ったという前提があるから、なおさら際立った。SB3は26cmで214g、ネオビスタ3は実測250g。同じ26cmでも約30gの差がある。この30gは、20kmを通して脚にはっきりと積み上がった。
走り心地は「潰れていくプレートの踏み心地」と表現するのが正確だ。一度沈み込み、そこから反発が返ってくるまでにわずかなラグがある。この感覚はSuperblast 3にもあったもので、そこにプレートを使った反発が乗る。EVO SLのような早いレスポンスはここにはない。接地から反発までの位相は、明確にSB3寄りだ。
では反発量はどうか。プレートがある分、Superblast 3よりは反発力があるように感じた。だが裏を返せば、SB3はプレートが無いのにあれだけ返してくる、という事実を再認識させられた。プレートを足してわずかに勝ち、重量で明確に負ける。これがネオビスタ3とSB3の、走っている最中に積み上がった天秤だった。
誤解のないように書く。これは走り方の相性の話でもある。私はピッチ型で、高速レスポンスのEVO SLが気持ちよく感じるタイプだ。一方、ピッチで刻むより一回の反発でポンポンポンと進んでいく——そういうストライド寄りの走りをする人には、ネオビスタ3はむしろ強くハマるはずだ。スピードに自信がない人、サブ4を狙うためのプレートシューズが欲しい人、あるいは初めてのプレートシューズを探している人。そこには自信を持って勧められる。週110kmという私のトレーニング設計の中では、このシューズは「日曜のロング走」と「気分を変えたいEペース」の枠に収まる。
⏱️ Durability:耐久性は「初回20km時点」の保留——今後更新する
耐久性について、現時点で断定はしない。走ったのはまだ20kmだ。Superblast 3を500km以上、EVO SLを1000km以上履いてきた経験から言えば、スーパートレーナーは「見た目の摩耗」より「クッションのへたり」が先に来る。だからこの章は、嘘をつかないために保留する。
初回20kmで言えることは限られる。濡れた路面でもX10ラバーのグリップに不安はなく、アウトソールの摩耗は当然ながら新品同然。プレートのへたりも当然まだ感じない。ナイロン系プレートは反発が穏やかな分、カーボンより劣化が緩やかという仮説は立つが、これは距離を積んでから検証する。200km・300km・500km地点での反発の変化は、追記という形で必ず記録に残す。
⚖️ Comparison:他モデルとの徹底比較
私が実際に使用しているモデルとの比較を、実走の感覚から整理する。結論を先に置くと、ネオビスタ3は「Superblast 3の同系統だが下位互換寄り」「EVO SLとは完全な別物」「Adios Pro 4・Hyperwarppureとはカテゴリが違う」だ。
| NEO VISTA 3 | Superblast 3 | EVO SL | Adios Pro 4 | |
|---|---|---|---|---|
| 重量(27cm) | 約265g | 約239g | 約224g | 約220g |
| プレート | あり(GF強化ナイロン3D) | なし | なし | あり(カーボン) |
| 反発の質 | 溜め型+プレート | 溜め型 | 高速レスポンス | レース用・最大 |
| クッション性 | 高い | 高い | 適度 | 適度 |
| 用途 | ロング走・E(維持) | ロング走・MP | LT走・MP・日常 | レース・30km+ |
| NV3との比較 | — | 軽く反発も十分。総合で上 | 別物の高速シューズ | 別カテゴリ(レース) |
| 定価 | ¥24,200 | ¥26,400 | ¥24,200 | ¥26,400 |
| 購入 | 購入する | 購入する | 購入する | 購入する |
Superblast 3との比較——「後継」ではなく「重い同系統」
最も比較したかった相手がSuperblast 3だ。両者はクッションの厚みと「一度溜めてから返す」反発のキャラクターが非常に似ている。だからこそ、私はSB3の後継候補としてネオビスタ3を買った。だが走って出た答えは明確だった。後継にはならない。
理由は2つ。第一に重量で約30g負ける。第二に、プレートで得られる反発の上乗せが、その重量差を覆すほど大きくない。SB3はプレート無しであれだけ反発し、しかも軽い。差し引きで、私の用途ではSB3の方が優れていると言わざるを得ない。SB3で組んでいた練習をネオビスタ3に置き換えていく——それが今後のスタンスではあるが、それは「興味」であって「必要」ではない。Superblast 3の詳細はレビューにまとめている。
EVO SLとの比較——完全な別物
EVO SLとネオビスタ3は、同じ土俵で語るべきではない。EVO SLはプレートなしで高速レスポンスを返す軽量シューズで、ピッチ型の私が踏んだ瞬間に反応が返る。ネオビスタ3は溜めてから返すプレートトレーナーで、レスポンスの速さでは勝負していない。「速く反応させたい」ならEVO SL、「安定して同じ速度を維持したい」ならネオビスタ3。役割がそもそも違う。
Adios Pro 4・Hyperwarppureとの比較——カテゴリが違う
Adios Pro 4とミズノ Hyperwarppureは、どちらもレース本番用のシューズだ。トップスピードで押し切るための一足であり、ネオビスタ3がその役割を担うことはない。ネオビスタ3はレースの最高速を出す靴ではなく、練習で安定して速度を維持する靴だ。同じミズノでも、Hyperwarppureが「本番の槍」なら、ネオビスタ3は「日々を支える盾」。並べて比べる対象ではない。
ネオビスタ2との比較——足入れは2の方が好みだった
正直に書く。走ったことはないが、足入れの感覚だけならネオビスタ2の方が好みだった。あのトランポリン感とプレートの効いた履き心地が、私を惹きつけた。ネオビスタ2は「横ブレがある」「クセが強い」という評価を聞く。それを万人向けに整えたのがネオビスタ3なのだろう——カタログスペックを見る限りはそう読める。だが万人向けに作り込むなら、より私にハマるSuperblast 3やEVO SLという選択肢が既にあった。クセを削った結果、誰にでも履けるが、誰の決定打にもなりにくい一足になった——そんな印象が残る。
💪 Pros & Cons:メリット・デメリットの徹底分析
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 速度を「維持」する安定感 踏み方を選ばない一定の反発 足入れの気持ちよさが最上級 かかとの保護感・安心感 初プレートでも扱いやすい穏やかさ | 実測250gはスーパートレーナーとしては相当重い。Superblast 3より明確に優れる点が乏しく、SB3保有者には買い替えの必然性が薄い |
メリット:プレートが生む「落ちない速度」
デメリット:重さと、「SB3超え」の不在
気になる点は、はっきりしている。第一に重さだ。実測250gは、スーパートレーナーというカテゴリの中では相当重い部類に入る。20kmでこの重量を感じ続けたのは事実だ。
第二に、これは私の正直な評価だが、Superblast 3より明確に優れている点が見当たらない。反発の差分はわずかで、重量では負ける。価格もほぼ同等であり、天秤は傾かない。SB3を持っていない人になら「買ってもいい」と言える。だがSB3を持っている人にとって、必ず必要な一足にはなり得ない。万人にお勧めするタイプのシューズではない、というのが結論だ。
🎯 Recommendation:誰におすすめ?誰にはおすすめしない?
結論を最初に置く。サブ4を狙う人、初めてのプレートシューズを探す人、一回の反発で進むストライド型の人には強く勧められる。逆に、軽さと高速レスポンスを求めるピッチ型のランナーや、すでにSuperblast 3を持っている人には、無理に勧めない。
おすすめしない人:ピッチ型・SB3保有者
私のようにピッチ型で、踏んだ瞬間にレスポンスが返ってほしいランナーには、ネオビスタ3の「溜め」はもどかしく感じるかもしれない。その用途ならEVO SLの方が気持ちよく走れる。そしてSuperblast 3を既に持っている人。反発の差はわずか、重量は不利。買い替える積極的な理由は、正直なところ見つからなかった。
📏 Fitting:サイズ選びとフィッティングの注意点
私はブラックの26.0cmを選び、フィットに不満はなかった。ミズノのトレーナー系らしく、足入れの収まりは良好で、かかとの保護感も高い。横幅は2E相当(ノーマル)で、極端に細い・広いという印象はない。
ただし、最終的には履いて走ってみないと分からない。これはどのシューズにも言えることだが、ネオビスタ3は特にそうだ。「溜めてから返す」反発の相性は、足入れだけでは判断できない。店頭で気持ちよくても、20km走れば重さが効いてくる。逆に、足入れで重そうに見えても、ストライド型の人なら走り出した瞬間に評価が反転するかもしれない。可能なら、試走してから決めてほしい。
❓ FAQ:よくある質問
- Superblast 3とネオビスタ3、どちらを選ぶべきですか?
-
すでにSuperblast 3を持っているなら、無理に買い替える必要はない。反発の差はわずかで、ネオビスタ3は約30g重い。総合では軽くて反発も十分なSB3が優位だ。ただしSB3を持っておらず、安定して速度を維持できるプレートトレーナーが欲しいなら、ネオビスタ3も十分に選択肢になる。
- ネオビスタ3はレースで使えますか?
-
トップスピードを争うレース本番には向かない。Adios Pro 4やHyperwarppureのような最高速を出す一足ではなく、練習で安定して速度を維持する靴だ。サブ4前後を安定したペースで走り切る目的なら、レースでも機能する余地はある。
- 初心者やサブ4ランナーに向いていますか?
-
向いている。プレートが踏み方を選ばず一定の反発を返すため、フォームが固まっていなくても速度を維持しやすい。カーボンのような暴れもなく、初めてのプレートシューズとしても扱いやすい。サブ4を狙う練習の主力として頼れる一足だ。
- EVO SLとの違いは何ですか?
-
反発の出方が正反対だ。EVO SLは踏んだ瞬間に返る高速レスポンス型で、ピッチ型のランナーに合う。ネオビスタ3は一度沈んでから返す溜め型で、ストライド型に合う。軽さと反応の速さならEVO SL、速度維持の安定感ならネオビスタ3だ。
- 重さ(約265g)は走りに影響しますか?
-
影響する。20kmを通して、Superblast 3との約30gの差ははっきり脚に積み上がった。スーパートレーナーの中では重い部類だ。ただし、一発の反発で進むストライド型の走りなら、この重量はむしろ安定感として働く場合もある。
📝 Conclusion:悪くはない。ただ、私の決定打にはならなかった
「全然悪いシューズではなかった」——ネオビスタ3を20km走った私の、嘘のない総括だ。良い靴だ。だが、その「良さ」は私の決定打にはならなかった。
足入れの気持ちよさ、かかとの保護感、踏み方を選ばないプレートの反発。これらは確かな美点だ。特に「気づいたら速度が落ちている」が起きにくい安定感は、プレートトレーナーならではの価値である。
だが、私の手元にはSuperblast 3があり、EVO SLがある。軽くて、反発し、私のピッチ型の走りに合う2足だ。その横に置いたとき、実測250gのネオビスタ3は、反発のわずかな上乗せと引き換えに重量で負ける。Superblast 3の後継として迎えるには、決め手が足りなかった。
ネオビスタ2のクセを削り、万人に履けるよう整えた——それがネオビスタ3だと私は読む。だが万人向けの完成度なら、ミズノにも他社にも、もっと尖った選択肢がある。誰にでも履ける代わりに、誰の決定打にもなりにくい。それが、現時点での私の結論だ。
それでも、サブ4を目指す人、初めてのプレートシューズを探す人、一発の反発で進む走りをする人にとっては、間違いなく良い相棒になる。データは正直だ。重い。だが、速度は落ちない。その事実が刺さる人は、確かに存在する。私はそこに、このシューズの居場所を見ている。耐久性の検証は、距離を積んでから必ず追記する。


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