風邪明けビルドアップ+ファルトレク20km。4:30/kmがきつかった「体力の穴」とレディネス24が突きつけた現実

風邪明けビルドアップ+ファルトレク20km。4:30/kmがきつかった「体力の穴」とレディネス24が突きつけた現実

体力は戻っていない。今日の20kmが、その仮説をデータで証明した。

📌 この記事の結論
  • トレーニングレディネス24——風邪後の蓄積疲労が「普段より重い」走りを作り出していた
  • 4:30/kmが維持できない感覚の正体——心拍ドリフトと気温19℃の複合効果。体力低下が主因
  • 高強度刺激は確保できた——ファルトレクで4:04/km・パワー344W(5.98 W/kg)を記録
  • スーパーブラスト3が緩衝材になった——低レディネス日の着地衝撃をクッションで吸収
  • 次のフォーカスは「体力の床の再構築」——レディネス40超えまでは距離積み上げ優先
目次

Condition:レディネス24が警告する「蓄積疲労の現実」

項目数値
睡眠スコア60
トレーニングレディネス24
HRVステータス85

レディネス24はGarminのスケールで言えばほぼ底だ。HRVが85と比較的高い値を示しているにもかかわらず、レディネスが低いのは——睡眠スコア60・最近の低強度トレーニングの蓄積・風邪後の回復不足という要素がHRV以外の部分でマイナスに働いているからだ。

体の感覚としては「休まっている」ように感じていた。だが実際の走りでは4:30/kmがきつかった。この乖離こそが重要なデータだ。「主観的に大丈夫」は「客観的に回復済み」ではない。レディネスを信じるか、自分の感覚を信じるか——今日は前者が正しかった。

Intention:体力回復期の「二刀流設計」

長期間の低強度トレーニングだけでは高強度への対応力が落ちる。かといって全力ポイント練習をこなせる状態でもない。この二律背反を解決するのが、今日の設計だ。

  • 前半10km:ビルドアップ(4:54/km → 4:23/km)——心拍を段階的にLT域まで押し上げる
  • 後半10km:ファルトレク——高強度と回復を繰り返し、「速さのスイッチ」を小刻みに入れる

距離を積み上げながら高強度の刺激も確保する。レディネスが低い今だからこそ、「リスクを分散した質確保」という考え方で組んだメニューだ。ジョグだけ積んでも体力の戻りは遅い——そう判断した。

Data Result:20.03km・4:45/km・HR164が示すもの

項目数値
走行距離20.03 km
タイム1:35:01
平均ペース4:45/km
平均心拍数164 bpm
最大心拍数194 bpm
平均ピッチ178 spm
平均歩幅1.17 m
平均パワー288 W(5.01 W/kg)

平均4:45/kmで平均心拍164 bpmはLTHR(179 bpm)の91.6%だ。これはビルドアップ+ファルトレクというメニュー構成の影響が大きいため、単純比較は難しい。しかし「同じ区間ペースで心拍が高い」という感覚は正しく、データがそれを裏付けている。最大心拍194 bpmはラップ10(4:23/km)で到達。ビルドアップの到達点として、体力が落ちている今の「上限」を見た一瞬だ。

Analysis:4:30/kmが「きつかった」の正体を解剖する

ビルドアップで見えた心拍ドリフト

Fact:ラップ1(4:54/km、HR142)からラップ10(4:23/km、HR181)まで、ペースを約30秒上げる過程で心拍は39 bpm上昇。ラップ5(4:56/km)で一時的にペースが崩れ、ラップ8〜9の段階ですでにHR169〜178に到達していた。ラップ7(4:32/km)でHR166——本来このペースなら155前後に収まるはずだ。

Qualia:ラップ4〜7あたりから「キロ4分30秒台が維持できない」感覚が出始めた。脚は動いているのに、呼吸と心拍だけが先行して上がっていく——「体力落ちてるぞ」と身体が言いにくる感覚だ。

Analysis:気温19℃は冬と比べ約10℃高い。心拍は気温上昇とともに押し上げられるが、それだけでは39 bpmの上昇は説明できない。風邪後の体力低下による心肺の過剰応答が主因だ。心肺が「足りない体力を心拍数で補おうとしている」——この状態で4:30/kmがきつく感じるのは当然の帰結だった。

ファルトレクの高強度ラップが語ること

Fact:ラップ15(4:08/km、HR179)、ラップ17(4:04/km、HR169)がファルトレクのピーク。ラップ17は平均パワー344 W(5.98 W/kg)、最大パワー431 W(7.50 W/kg)を記録。LT Pace(3:57/km)に迫る水準だ。一方、直後の回復ラップ(ラップ16: 5:28/km、ラップ19: 5:36/km)は通常の回復ジョグより20〜30秒遅い。

Qualia:「やるしかない」と踏み込んだラップ。体力低下の自覚はあったが、この瞬間は身体が反応した。ただし高強度後に脚が重くなる速さが、いつもより速かった。

Analysis:回復ラップが5:28〜5:36/kmまで落ちているのは、高強度後の乳酸除去速度の低下サインだ。「体力が落ちた」というより「LT以上の負荷に耐えるバッファが薄くなった」と表現した方が正確かもしれない。それでもラップ17で4:04/kmを出せた事実は、完全に能力が落ちたわけではないことを示している。

Gear Choice:スーパーブラスト3——低レディネス日のダメージ軽減

レディネス24という数値を見た瞬間に、スーパーブラスト3を選ぶことは決まっていた。ビルドアップ+ファルトレクという高強度を含むメニューを、体力が落ちた状態でこなすには着地衝撃の緩和が必要だ。Adios Pro 4やTakumi Sen 11ではなく、スーパーブラスト3を選ぶ日がある——今日はその典型だ。

実走での感触は想定通り。ビルドアップ後半(ラップ8〜10)で脚が重くなり始めた時でも、ロッカー構造が推進をサポートしてくれた。ファルトレクの4:04/kmでは重量よりクッション性のありがたさが勝っていた。平均接地時間234 msは今日の平均値——疲労時としては標準的だが、クッションが脚の疲弊を吸収してくれた証拠でもある。スーパーブラスト3を使うのは「頑張れない日」ではなく、「頑張るが身体を守りたい日」だ。

Next Strategy:まず「体力の床」を作り直す

  • レディネスが40を超えるまでは強度を抑え、距離積み上げを優先する
  • 次のビルドアップは早朝(気温変数を排除)に実施し、「体力回復の進捗」を正確に測定する
  • 高強度刺激は週1回・ファルトレク形式を維持(レディネスが戻るまでインターバルは入れない)
  • 睡眠スコア60は改善余地あり——就寝時間の前倒しで60台後半を目指す
  • 左足踵・両足内側広筋の張りを毎日確認し、悪化があれば即リカバリー優先に切り替える

❓ FAQ

トレーニングレディネスが24でもランニングして大丈夫ですか?

レディネス24は「強度を下げて回復を優先すべき」という警告だが、完全休養が最善とは限らない。今日のように設計を工夫し、距離と強度の双方を管理しながら走ることで、過負荷を避けつつ必要な刺激を確保することは可能だ。重要なのは、走るか休むかの二択ではなく「今日の強度の上限をどこに置くか」という判断だ。

風邪後に体力が落ちているかどうか、どう判断すればいいですか?

最も信頼できる指標は「同じペースでの心拍数の変化」だ。今日のケースでは、通常ならEペース域(HR145前後)に収まる4:45/kmで平均164 bpmを記録した。この乖離が「体力低下の客観的証拠」になる。主観の「しんどい/軽い」より、前回同ペースの心拍との比較を習慣的にチェックすることが判断精度を上げる。

ビルドアップとファルトレクを組み合わせる練習はどんな時に有効ですか?

体力回復期に「低強度ジョグだけ」を続けると高強度への対応力が落ち、「高強度ポイント練習」を入れると疲労が深まる。この二律背反を解決するのがこの組み合わせだ。前半ビルドアップでLT域付近への刺激を入れ、後半ファルトレクで「速さのスイッチ」を小刻みに維持する。疲労コントロールと高強度刺激の両立が必要な局面で有効だ。

📊 Appendix:全ラップデータ

スクロールできます
ラップタイム累積距離(km)ペースGAP心拍心拍max上昇(m)下降(m)パワー(W)W/kgパワーmax最大W/kgピッチ接地(ms)GCT歩幅(m)上下動(cm)上下動比(%)最高ペース最高ピッチ
14:53.64:53.61.004:544:501421541103005.223816.631722401.169.38.04:11179
24:42.99:36.51.004:434:43158165362955.133205.571782341.199.27.74:30181
34:48.114:251.004:484:56157162142614.543055.301762341.158.97.74:34186
44:46.019:111.004:464:49156161042674.642885.011802331.168.97.74:30184
54:56.224:071.004:564:53159163212885.013185.531782371.149.07.94:37181
64:36.628:431.004:374:38163169022995.203395.901802301.209.07.64:15186
74:31.933:151.004:324:31166171003015.233175.511812271.229.07.44:22184
84:43.737:591.004:444:46169177132844.943526.121772311.189.07.64:02184
94:33.242:321.004:334:35178186142955.133385.881812281.219.17.54:10188
104:22.946:551.004:234:21181194303055.303596.241822231.259.17.34:08188
115:00.051:551.005:005:16156178212664.633265.671722411.108.98.14:20182
124:36.956:321.004:374:39171183353045.293536.141782311.229.27.64:10184
134:44.81:01:171.004:454:45167172302844.943115.411792341.169.07.74:37183
144:54.91:06:121.004:554:56161166022694.682784.831792371.138.97.94:48183
154:08.21:10:201.004:084:09179187103175.513616.281842161.319.17.03:52190
165:28.21:15:481.005:285:35166184012364.103125.431732491.028.68.54:12184
174:03.91:19:521.004:044:12169186133445.984317.501822191.319.27.03:39190
184:24.31:24:161.004:244:31174186313415.934587.971782261.269.27.43:42188
195:35.61:29:521.005:365:30163174962694.683806.611732511.048.88.54:46178
205:00.11:34:521.005:005:001621662122774.823456.001762401.159.28.04:29184
210:08.61:35:010.035:105:00164164002664.632714.711752451.119.28.25:05175
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この記事を書いた人

RuncersLAB運営。フルマラソンでの目標達成に向けて、論理的かつ科学的なアプローチでトレーニングに励む市民ランナー。 現在は「週110km」の走行をベースに、Vo2MAX61を基準とした独自のメニューを追求中。自身の体験とデータに基づき、42.195kmを「使い切る」ための戦略やギアレビューを発信しています。

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