レディネス11で挑んだ30kmビルドアップ。26℃と疲労が26kmで下した「中断」という判断

レディネス11で挑んだ30kmビルドアップ。26℃と疲労が26kmで下した「中断」という判断

今日は30kmビルドアップ走を中断した。4km足りなかったことより、「なぜ中断せざるを得なかったのか」のほうが重要だ。

📌 この記事の結論
  • レディネス11——体感と数値の乖離が判断を遅らせた。数値を信じるべきだった
  • 最大心拍193bpm——ペースが上がらないのに心臓だけが先に達した限界値
  • 26℃の暑熱——後半ペースを物理的に阻んだ。ラップ22→23の失速(4:29→5:44)がその証拠
  • 26kmで中断——完走より次のポイント練習の質を守ることを選んだ合理的判断
目次

Condition:レディネス11が先に告げていた「今日ではない」

項目数値
睡眠スコア55
トレーニングレディネス11
HRVステータス76

レディネス11は、Garminが出せる数値のなかでも最底辺に近い。自律神経系が回復していないことを示すが、走る前の体感は「特別きつい感じはない」だった。この数値と体感の乖離こそが、今日の落とし穴だった。

睡眠スコア55は平均以下。量は確保できていても質が伴っていなかった可能性が高い。HRV 76は単体では解釈しにくいが、レディネスとセットで見ると、体の準備が整っていないのは明確だ。「走れそう」という体感を信頼して走り出したが、データはとっくに警告を出していた。

Intention:30kmビルドアップで何を検証しようとしたか

今日の予定は30kmビルドアップ走——サブ3プロジェクトにおける週の最重要練習、日曜ロング走だ。序盤をEペース域(5:00前後)で入り、段階的にMPペース(4:14/km)へ引き上げ、「30km通しで後半も4:10〜4:20/km台を維持できるか」を検証する意図があった。

シューズはアディオスプロ4。30km走でのカーボンプレートのサポート感と脚持ちの確認も兼ねていた。

Data Result:26.01km、平均4:55/km——ビルドアップは形にならなかった

項目数値
走行距離26.01 km
タイム2:07:57
平均ペース4:55/km
平均心拍数158 bpm
最大心拍数193 bpm
平均ピッチ179 spm
平均ストライド1.12 m
平均気温22.8℃(後半最高26℃)

平均4:55/kmはビルドアップとしての「加速できなかった」記録だ。LT Pace(3:57/km)はおろか、MPペース(4:14/km)に到達できたラップは数えるほどしかない。レディネス11と気温26℃が重なった結果、狙い通りのビルドアップは実現しなかった。

Analysis:2つの要因が重なった中断の解剖

① 心拍の天井——疲労が心臓の余力を奪っていた

Fact:ラップ9の心拍が173bpm(前後比で+13bpm)に急上昇。その後も160bpm台が続き、ラップ17・18では最大193bpmを記録。LTHR(179bpm)を繰り返し超えた。

Qualia:スピードが上がらないのに、心臓だけが先に上がっていく感覚があった。脚を動かしているというより、心拍数が上がることに体が追いつこうとしているような感覚。

Analysis:疲労残存による心拍応答の過剰反応だ。回復不足の状態では、同じペースでも心臓はより多く働かなければならない。レディネス11は「心拍の余白がない」状態を意味していた。

② 26℃の暑熱——ビルドアップの後半を物理的に阻んだ

Fact:ラップ21(5:09)、ラップ23(5:44)、ラップ24(5:31)と後半の失速が顕著だ。ラップ22だけ4:29まで上げたが、直後のラップ23が5:44に急落。この落差が暑熱の影響を端的に示している。

Qualia:暑さの中でスピードを上げようとすると、体が熱を逃がすことに使うエネルギーが走る方にまわってこない感覚があった。「もっと速く走れるはずなのに、動かない」という感覚。

Analysis:5月中旬の26℃は、冬季ベースを積んできた体にとってまだ適応していない暑熱だ。ペースを上げるほど発熱量が増し、体温調節に血流が奪われる。ラップ22で無理に上げた反動がラップ23の5:44に表れた。

③ 26kmで止める判断——「完走」より「次」を選んだ

Fact:ラップ27は0.01kmで終了。26.01kmで走行を中断した。

Qualia:「無理すればまだいける」という感覚はあった。しかし「次のポイント練習に向けて消耗するのは違う」という判断が先に来た。

Analysis:今日の30kmは目的ではなく手段だ。サブ3プロジェクト全体の中で、今日の消耗が次の質の高い練習を妨げるなら、止めることが最適解になる。レディネス11・26℃という2つの逆風が揃った日に、30km完走にこだわる必要はなかった。

Gear Choice:アディオスプロ4——疲労した脚を最後まで動かし続けた

今日のアディオスプロ4は、疲労した脚を26kmまで動かし続ける上で機能した。カーボンプレートの反発がピッチ維持を補助し、後半の失速ラップ(5:44)でも歩幅0.99m以上をキープできた。

疲労困憊の状態でロングを走るとき、アディオスプロ4は「推進力を補うことで脚を守る」シューズとして機能する。ただし、生理的限界(心拍193bpm)はシューズでは超えられない。今日のような日はシューズの性能を活かす前提条件(体の準備)が整っていなかった。次の30km以上でもアディオスプロ4を選ぶ判断は変わらない。

Next Strategy:回復最優先、次のポイント練習の質を守る

  • 明日は完全休養または8km以内の回復ジョグ。最大心拍193bpmを記録した翌日に無理はしない
  • レディネスが50を超えるまでポイント練習に入らない
  • 次回のロング走は早朝スタートに変更し、気温20℃以下の条件を確保する
  • 5〜6月の暑熱期は、ペース目標より心拍ゾーンを優先する。同じ努力量をペースで測るのをやめる

❓ FAQ

レディネスが11の日は走らない方がよいのか?

「走るな」ではなく「強度を超えるな」というシグナルだ。今日のように走り出した場合でも、心拍が想定より高く推移し始めた段階で強度を下げるか中断する判断が必要になる。

ビルドアップ走を暑い日に行う場合、ペース設定をどう変えるべきか?

気温が20℃を超える場合、目標ペースより1km当たり15〜20秒遅くするか、ペースではなく心拍ゾーンで管理する方が実態に即している。今日の教訓はそのまま次の設定基準になる。

30kmに届かなかった中断は失敗か?

違う。レディネス11・26℃という条件下で無理に30kmを完走しても、得られるトレーニング効果より消耗が上回る。今日の26kmは「止める判断を実行した」という別の練習だ。

📊 Appendix:全ラップデータ

スクロールできます
ラップタイム累積距離(km)ペースGAP心拍心拍max上昇(m)下降(m)パワー(W)W/kgパワーmax最大W/kgピッチ接地(ms)GCT歩幅(m)上下動(cm)上下動比(%)最高ペース最高ピッチ
15:015:011.005:015:01142152962704.703375.861742381.118.88.04:30185
24:449:451.004:444:44154157122844.943035.271842291.158.77.54:26188
34:4314:281.004:434:43156159042834.922995.201852271.158.67.44:29188
44:4719:151.004:474:47155159112814.893415.931842301.138.67.64:33188
55:0824:231.005:084:591551621872794.853976.901802361.088.47.94:40196
64:4629:091.004:464:481561611112754.783325.771832301.158.77.64:25186
74:4933:571.004:494:48160164402814.893145.461852301.128.57.64:35188
84:5438:511.004:545:01160169112644.593235.621782331.118.67.74:31188
94:5243:431.004:514:51173181012724.732824.901832321.128.67.74:46187
104:4448:271.004:444:44169179052764.802965.151832291.168.77.54:27188
115:0753:341.005:075:011671851232734.753956.871812381.078.57.94:54186
124:5158:251.004:504:59151164172624.563305.741782331.138.77.74:15187
135:011:03:261.005:014:59165181402714.713285.701822361.098.57.84:44186
144:471:08:131.004:474:49156166332774.823115.411802311.148.77.64:35214
154:471:13:001.004:474:47156167122764.802975.171842301.148.67.64:34188
164:301:17:301.004:304:30164171002955.133115.411862231.198.67.34:24188
174:551:22:251.004:554:57165192112704.703275.691812331.118.57.74:17190
184:551:27:201.004:554:59167193412684.663235.621762331.138.77.84:23189
194:421:32:021.004:424:521631846102744.773656.351722291.188.87.53:55189
204:401:36:421.004:404:48160176112814.893305.741762301.178.97.64:15189
215:091:41:521.005:095:26151170232504.353335.791752431.058.68.24:14186
224:291:46:211.004:294:29172190353015.233836.661812231.228.87.33:54190
235:441:52:051.005:445:47158170112344.073285.701742510.998.48.64:16184
245:311:57:361.005:315:46144156202354.092804.871692481.018.48.45:07181
255:102:02:461.005:105:10150168652684.663786.571752411.098.88.14:13188
265:072:07:531.005:075:10155162292614.543846.681782411.098.88.14:26185
270:042:07:570.014:495:01154155002734.752734.751792381.118.87.95:00179
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この記事を書いた人

RuncersLAB運営。フルマラソンでの目標達成に向けて、論理的かつ科学的なアプローチでトレーニングに励む市民ランナー。 現在は「週110km」の走行をベースに、Vo2MAX61を基準とした独自のメニューを追求中。自身の体験とデータに基づき、42.195kmを「使い切る」ための戦略やギアレビューを発信しています。

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