VO2maxとマラソン目標の目安——61の私が「理論上サブ3」と感じる理由と指標の使い方

📌 この記事の結論
  • VO2maxはマラソン目標の「目安」でしかない——数値がいくつだからサブ3できる/できないとは言えない。私も61でサブ3未達である。
  • 61が教えてくれたのは「サブ3プロジェクトが無駄じゃなかった」という一事だけ——現在地が便宜上61だと分かっただけで、それ以上でも以下でもない。
  • 日々の強度はVO2maxではなくLTHR(心拍)で決めている——Eペース・LTペース・リカバリーはすべてLTHR基準。VO2maxは強度設計に使っていない。
  • サブ3に本当に効くのは「LTペース」と「どんな練習をしているか」——VO2maxはバッジ。実践で使うべきはLTHR・LTペース・週間ボリュームである。
  • GarminのVO2max絶対値は信じていない——上がった/下がったという傾向だけ、練習・回復の質のバロメータとして見ている。
目次

📊 VO2maxはマラソンにどう関係するか

VO2max(最大酸素摂取量)は、心肺がどれだけ酸素を運べるかを示す指標である。マラソンでは「理論上この数値ならこのタイムが狙える」という目安表がよく使われる。ただし、VO2maxがいくつだからマラソンが何時間で走れるかは決まらない。レースタイムを決めるのは、筋力・レース設計・距離慣れ・当日のコンディションなど、多くの要因だ。この記事では、GarminでVO2max 61を表示している33歳市民ランナー(私)の解釈と、指標の使い方だけを述べる。

📋 よく使われる「VO2max→目標タイム」の目安

VO2max 帯(目安)想定レベルマラソン目標の目安(理論値)
〜50初心者〜中級4時間〜5時間台
50〜55中級3時間30分〜4時間前後
55〜60中上級3時間〜3時間30分前後
60〜上級(理論上サブ3圏)2時間50分〜3時間前後

上記はあくまで「心肺能力」から導かれる目安である。VDOT表などでは、VO2maxに近い概念から各距離の予測タイムが算出される。重要なのは、この表が「達成保証」ではなく「参考」だということだ。私のGarmin表示は61で、表上は「理論上サブ3圏」に含まれる。が、現時点のフルマラソンPBは3:34:12である。数値と実レースは一致していない。

🎯 私の61が示すもの——理論と実レースの差

🗺️ 要点
  • 61は「サブ3プロジェクトが無駄じゃなかった」という確認。それ以上でも以下でもない。
  • エンジン(心肺)はサブ3級、ボディ(筋力)はサブ3未満。3:34は筋力が持たなかった結果。
  • 3:34はサブ3狙いではなくサブ3.2狙いでの記録。実力不足を率直に認めている。

VO2maxが61だと分かったとき、最初に頭に浮かんだのは「サブ3プロジェクトが意味のあるものだった。無駄じゃなかった」という一事だった。サブ3を目指すプロジェクトを立て、週110kmを続けていた時期に61に到達した。その結果、取り組みに根拠ができた感覚がある。とはいえ、VO2maxが61だからサブ3ができるとは一切思っていない。とりあえず現在地が便宜上61だと分かっただけ。ただの数字でしかない、と感じた。

理論上はサブ3圏内の数値なのに、実レースは3:34:12である。この差をどう説明するか。私は「エンジンはサブ3級だけど、ボディはサブ3未満だ」としか考えていない。レース設計や体力配分に大きな問題はなかったと思う。レースは進められた。崩れたのは筋力が持たなかったことだ。さらに言えば、この3:34はサブ3を狙って出したタイムではない。サブ3.2を狙って3:34だった。完全に実力が足りなかった、という話でしかない。

私の現時点のPBと指標をまとめる。

指標数値
VO2max(Garmin表示)61
LTHR179bpm
LT Pace3:57/km
5km PB19:39(3:56/km)
10km PB39:25(3:57/km)
ハーフ PB1:32:06(4:22/km)
フル PB3:34:12(5:05/km)

5km・10km・ハーフのペースはLT付近でまとまっている。心肺の「エンジン」は理論値に近い。それでもフルでは5:05/kmで、サブ3に必要な4:15/km前後を大きく下回る。差は42kmを支える脚と体の耐久力だ。だから、VO2max 61という数字は「ここまで来た」というバッジであり、サブ3の保証ではない。

💪 VO2maxだけ見ないほうがよい理由——LTHR・LTペース・練習量との組み合わせ

🗺️ 要点
  • 強度はあらかじめ決めたメニューをこなすだけ。VO2maxは強度決定に使っていない。
  • Eペース・リカバリー・LTペースはすべてLTHR基準で決めている。
  • VO2max基準で何かを考える概念は意味がない。実践で使うのはLTHRとLTペース。

日々の練習で「今日の強度を決める」とき、VO2maxは一切使っていない。強度は日々決めているわけではない。あらかじめ決めたメニューをこなすだけだ。そのメニューを組むうえで基準にしているのはLTHR(乳酸閾値心拍数)である。Eペースがどのくらいのペースか、リカバリーをどのくらいでやるか、LTをどのペースでやるか——すべてLTHRを基準に決めている。VO2maxが何であろうと、強度設計には関係ない。

誰かに「サブ3するにはVO2maxいくつ必要?」と聞かれたら、私は「サブ3するにはVO2maxは関係ない」と答える。それよりも、本当にサブ3したいなら、どんな練習をしているか、LTペースがいくつなのか、そういう具体的で実践的な数値で考えたほうがよい。VO2maxは単なるバッジであり、VO2max基準で何かを考えるという発想には意味がない、と思っている。心拍ゾーンに基づいた強度設定の考え方については、別記事で詳しく書いた(LTHR 179bpmを基準にする。心拍ゾーンに基づいた「外さない」強度設定)。

GarminのVO2maxについて、61という数字そのものは全く信じていない。ただし、「上げたい」「下がったら嫌だ」とは思う。理由は、下がることはこれまでの練習や回復の質のバランスが崩れていたことを示し、上がることは練習の質が良かったと解釈できるからだ。人との相対的な基準、あるいは自分の中での傾向としては見ている。それでも、VO2maxが何であろうと、トレーニングや目標設定を変えた経験は一切ない。

❓ FAQ

VO2maxいくつならサブ3できる?

目安表では60前後で「理論上サブ3圏」とされることが多い。しかし、VO2maxがいくつだからサブ3できる/できないとは言えない。私も61でサブ3未達である。本当に効くのは、LTペースがいくつか、どんな練習をしているか、週間ボリュームと回復のバランスだ。VO2maxはあくまでバッジであり、目標設定はLTHR・LTペース・練習内容で考えるべきである。

GarminのVO2maxは信頼できる?

絶対値(例えば61という数字そのもの)は信じていない。正確なVO2maxは呼気ガス分析で測るもので、腕時計の推定は参考値に過ぎない。一方で、「上がった/下がった」という傾向は、練習の質や回復のバランスのバロメータとして有用だ。トレンドを見る指標として使い、絶対値で強度や目標を決めない方がよい。

VO2maxとマラソン目標はどう使えばいい?

「現在地の目安」として眺める程度で十分である。強度設計やレース目標の主軸にするなら、LTHRとLTペースを基準にし、週間の走行距離と練習内容を組み合わせて考える。VO2maxは補助的な指標に留め、数値に振り回されない方がよい。

📌 まとめ

VO2maxはマラソン目標の「目安」に過ぎない。61の私がサブ3未達であることが、数値と実レースが一致しないことを示している。61が教えてくれたのは、サブ3プロジェクトが無駄じゃなかったという確認だけだ。日々の強度はLTHRで決め、VO2maxは強度設計に使っていない。サブ3に本当に効くのは、LTペースと練習の質・週間ボリュームである。Garminの絶対値は信じず、傾向だけを練習・回復の質のバロメータとして見る。指標は「使う」ものであり、「振り回される」ものではない。

心拍ゾーンに基づいた強度の決め方については「LTHR 179bpmを基準にする。心拍ゾーンに基づいた「外さない」強度設定」で、週間ボリュームの根拠については「週110kmを維持する方法:ライフスタイルから導き出した数学的最適解」で、データと感覚の向き合い方については「データを信じる理由:感覚と数値の統合で見えてきたランニングの本質」で述べている。あわせて読んでもらえれば、VO2maxを「目安」に留め、実践で何を基準にするかの判断に役立つはずだ。

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この記事を書いた人

RuncersLAB運営。フルマラソンでの目標達成に向けて、論理的かつ科学的なアプローチでトレーニングに励む市民ランナー。 現在は「週110km」の走行をベースに、Vo2MAX61を基準とした独自のメニューを追求中。自身の体験とデータに基づき、42.195kmを「使い切る」ための戦略やギアレビューを発信しています。

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