風邪明け復帰JOG 5.37km。レディネス72でも「キロ5:00で咳」の体が決めた撤退ライン

風邪明け復帰JOG 5.37km。レディネス72でも「キロ5:00で咳」の体が決めた撤退ライン

2026年4月28日。風邪明け2回目のJOG。ペースではなく咳を停止条件に置いた朝、5.37kmで脚を止めた。

📌 この記事の結論
  • 停止条件は数値ではなく症状——キロ5:00を下回ると咳が出る体に、ペース基準ではなく症状基準で線を引いた。
  • レディネス72・HRV81・睡眠84は「呼吸器」を見ていない——Garminの指標は良好でも、上気道の炎症は数値化されない。
  • 心拍は128→157まで漸増——同ペース帯でも心拍ドリフトが進行。換気量増加に対して気道がまだ過敏である。
  • ADIZERO EVO SLが「強度の天井」を物理的に下げる——反発を抑えた接地で、無意識の追い込みを封じる役割を果たした。
  • 撤退は損失ではなく投資——明日以降のEペース復帰の選択肢を残すための5kmだった。
エンティティ値(本記事での参照)
VO2max61
LTHR179 bpm
LT Pace3:57/km
本日平均ペース5:23/km
本日平均心拍142 bpm
本日のシューズADIZERO EVO SL
目次

📊 Condition:数値は良好、咳と鼻水は残存

項目数値
睡眠スコア84
トレーニングレディネス72
HRVステータス81

数値だけ見れば「Good」ゾーンに収まる。睡眠スコア84で必要な回復は確保され、HRVステータス81も安定圏。トレーニングレディネス72は通常のJOGなら問題なくこなせる帯域である。

ところが、これらの指標は呼吸器の状態を測っていない。咳と鼻水は朝の段階で残っており、熱はないが「キロ5:00を切ると咳き込む」感覚があった。Garminの数値は心血管系・自律神経系の回復を捉えるが、上気道の炎症は別レイヤーだ。この乖離をどう扱うかが、今日の本質だった。

🎯 Intention:風邪明け2回目、ペース上限を「咳が出ない範囲」に設定

今日の狙いは走力維持ではなく、復帰プロセスの確認である。風邪が治ってきたタイミングで、心肺と気道がどこまで運動負荷に耐えるかを軽負荷で探る。事前に決めていたのは2点だった。

  • メニュー:Eペース帯(5:00〜5:30/km)でJOG
  • 停止条件:「咳が出始めたら止める」——ペースや距離ではなく、症状ベース

LT Pace 3:57/kmの私にとって、キロ5:00台は完全な有酸素域だ。普段なら「リカバリー」として何の負荷にもならない。だが今日はそれが上限になる。シューズはADIZERO EVO SL。理由はGear Choiceで詳述するが、要するに「強度の天井を物理的に下げる」ためである。

🏃 Data Result:5.37kmで脚を止めた

項目数値(Garmin・概要)
走行距離5.37 km
タイム28:55
平均ペース5:23 /km
平均心拍数142 bpm
最大心拍数161 bpm
平均パワー256 W (4.45 W/kg)
平均ピッチ174 spm
平均歩幅1.05 m

平均ペース5:23/kmはEペースの中央値。心拍142bpmはLTHR 179bpmの79%、ゾーン2上限あたりだ。数値だけ見れば完全な余裕走の領域である。だが内訳を見ると、ラップごとの変化に体の本音が出ている。

🔬 Analysis:データに現れた「気道の不調」

観点データ読み
初動と終盤の心拍Lap1=128 → Lap6=157(+29bpm)同ペース帯での顕著なドリフト
ペースの推移5:42 → 5:12まで加速脚は楽な方を選んだ
停止のトリガーキロ5:12で咳発生換気量増加が気道を刺激

心拍は128→157まで漸増、ペースは加速、咳は出始めた

Fact:心拍はLap1=128 → Lap2=142 → Lap3=144 → Lap4=145 → Lap5=148 → Lap6(0.37km)=157と単調上昇。ペースはLap2の5:42から徐々に上がり、Lap5で5:12まで加速した。

Qualia:ペースを意識して上げたわけではない。脚が「楽な方」を選んでくれた感覚だ。ところがLap5で5:12/kmまで来た瞬間、呼吸の深さが咳を誘発し始めた。

Analysis:換気量が増えると気道が反応する。風邪明けで気道粘膜の過敏性が残っているため、呼吸が深くなった瞬間にトリガーが引かれる。心拍が上がっているのは出力増加だけでなく、軽い炎症性ストレスの反映でもある可能性が高い。同じペース帯でも初動と後半で心拍が10bpm以上ドリフトしている事実は、いつもの自分とは違う。

「ペースを落とす」ではなく「止める」を選んだ理由

Fact:Lap5でキロ5:12を記録した直後、Lap6の0.37km地点で停止。距離は5.37km、目標距離も特に設定していなかった。

Qualia:「ペースを5:30台に落として続ける」選択肢はあった。だが咳が出始めた瞬間に「ここで切る」と即決した。粘る理由がない。

Analysis:今日の目的は走力維持ではなく復帰プロセスの確認だった。咳が出た = 仮説(Eペースなら気道が耐えられる)が部分的に否定されたということ。仮説が崩れた瞬間にメニューを継続するのは、データに耳を貸さない態度だ。過去の「引く勇気」を発揮したリカバリーランでは低レディネスがトリガーだったが、今回は数値ではなく身体症状が引き金。撤退の判断軸は一つではない。

👟 Gear Choice:ADIZERO EVO SLで「強度の天井」を物理的に下げる

今日EVO SLを選んだ理由は明確だった。反発が控えめなため、無意識に強度が上がりにくい。Adios Pro 4やTakumi Sen 11のようなレース志向の靴は、脚が勝手に走ってしまう。風邪明けの体にはそれが毒になる。

EVO SLは「日常の足」として接地感がフラットで、ペースを上げようとすれば上がるが、何もしなければ自然と落ち着く。今日のような「ペースが上がりすぎないことが安全装置になる日」に最適なシューズだ。

実走中の感触は、いつもどおり安定。脚が重い感覚もなく、フォームに対する違和感もゼロ。EVO SLが優れているのは「主役を張らない」ことだと改めて感じる。詳しい性能評価はADIZERO EVO SLレビューにまとめている。次回同条件(体調回復期のEペースJOG)では、迷わず再選択する。

🧭 Next Strategy:48時間で「気道」の回復を確認、Eペース復帰へ

  • 明日(4/29)は完全休養。呼吸器の炎症は走らないことが最大の治療。
  • 4/30:朝の咳・鼻水の有無を確認。残っていれば再度オフ。
  • 5/1以降:Eペース10kmまで戻す。ペース上限はキロ5:00で頭打ち、咳が出れば即停止。
  • 強度練習(LT走・MP走)の再開条件:3日連続で「キロ5:00以下でも咳が出ない」ことを確認できたら復帰。
  • 数値と症状の乖離を記録する:レディネス・HRV・睡眠スコアと、主観的な呼吸器症状を併記して回復プロセスを定量化。
  • 感覚と数値の統合で書いたとおり、Garminの指標は万能ではない。「数値が良くても止める判断」をどう体系化するかは、サブ3達成への重要な技術である。

❓ FAQ

風邪明けでJOGを再開していいタイミングはいつか。

一般論ではなく私の判断軸で言えば「熱がない」「安静時心拍が通常値」「軽い会話で咳が出ない」の3条件が揃ってから。今日はこの条件を満たしたが、運動負荷をかけると気道が反応した。実走で初めて分かることは多い。

トレーニングレディネスが72もあるのに、なぜ撤退したのか。

レディネスは心血管系・自律神経系の回復を測る指標で、上気道の炎症は捉えない。今日の「咳が出る」という症状は、レディネスが追いきれない別レイヤーの情報だった。指標は1つではない。

キロ5:00で咳が出るなら、ペースを落として続ければよかったのではないか。

続けることはできた。だが今日の目的は「走力維持」ではなく「復帰プロセスの確認」。仮説(Eペースなら気道が耐える)が崩れた瞬間に、目的を見失ってまで距離を稼ぐ理由はない。明日以降の選択肢を残すための撤退である。

📊 Appendix:全ラップデータ

GCTはGarmin出力が「–」のため表では「—」とした。移動ペース・移動時間・気温・カロリーはラップ表から除外している。

スクロールできます
ラップタイム累積距離(km)ペースGAP心拍心拍max上昇(m)下降(m)パワー(W)W/kgパワーmax最大W/kgピッチ接地(ms)GCT歩幅(m)上下動(cm)上下動比(%)最高ペース最高ピッチ
15:22.55:22.51.005:225:231281447182644.593666.371742481.058.78.44:34181
25:41.811:041.005:425:41142148572484.313766.541742521.008.68.65:22180
35:24.016:281.005:245:30144158342474.303826.641762481.038.78.44:42180
45:14.721:431.005:155:20145156592674.643546.161712451.088.98.34:12185
55:12.226:551.005:125:19148156032564.452945.111762441.078.88.24:58182
61:59.928:550.375:205:18157161002534.402774.821762471.078.98.44:52180
概要28:5528:555.375:235:2614216121412564.453826.641742481.058.78.44:12185
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

RuncersLAB運営。フルマラソンでの目標達成に向けて、論理的かつ科学的なアプローチでトレーニングに励む市民ランナー。 現在は「週110km」の走行をベースに、Vo2MAX61を基準とした独自のメニューを追求中。自身の体験とデータに基づき、42.195kmを「使い切る」ための戦略やギアレビューを発信しています。

コメント

コメントする

目次