「30km走った後も、脚が残っている」——これが、VO2max 61、体重57kgの私がSuperblast 2を2足・合計700km以上履き潰した後の結論だ。
週110km、サブ3を目指すプロジェクトにおいて、毎週日曜日の30km走は最重要トレーニングだ。20kmをEペースで刻み、残り10kmをMペースに引き上げる。この「後半の質」を支えているのが、Superblast 2の46mmスタック高が生み出すクッション性と推進力の両立である。
- 30km走で脚が残る——46mmのスタック高が後半の脚持ちを支え、翌日のトレーニングに響かない
- Novablast 5の上位互換ではなく”別物”——柔らかさの楽しさを捨て、推進力と持続力に振り切ったスーパートレーナー
- EVO SLとは明確に役割が異なる——速さのEVO SL、持続力のSuperblast 2。この使い分けが最適解
- 耐久性はEVO SLを上回る——400kmでクッション低下を感じ始めるが、EVO SLの350kmの壁より50km長持ち
- 価格が唯一の弱点——値下げされにくく、好みの黒カラーも市場に出回りにくい
📊 Specification:Superblast 2の基本スペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| メーカー | ASICS |
| モデル名 | Superblast 2 |
| 定価 | ¥27,500(税込) |
| 重量 | 約228g(26.0cm) |
| ドロップ | 8mm |
| スタック高 | 約46mm(ヒール) |
| ミッドソール | FF TURBO PLUS |
| プレート | なし |
| アウトソール | ASICSGRIP |
| カテゴリ | スーパートレーナー |
Superblast 2最大の特徴は、レーシングシューズ由来のFF TURBO PLUSフォームを46mmというスーパートレーナー最大級のスタック高に詰め込んだ点だ。プレートは搭載していないが、フォームの反発力と厚みだけで推進力を生み出す設計になっている。

👟 First Impression:Novablast 5の上位互換を期待して履いた瞬間
2025年5月。ランニングを始めて4ヶ月が経った頃、私はSuperblast 2を手に取った。
きっかけは、Novablast 5だ。ランニングを始めた時の最初の1足がNovablast 5であり、そのトランポリン構造の走り心地に完全に魅了されていた。「いつもの道をもっと弾ませよう」——Superblast 2のキャッチコピーは、Novablast 5を気に入っていた私にとって、買わない理由がなかった。当時はロング走専用として購入したわけではない。EVO SLよりも厚みのある、スーパートレーナーとしての位置づけだった。
初めて足を通した瞬間、まず感じたのはクッションの厚みだ。当時の手持ちシューズの中では最も厚い46mmのスタック高。それまで履いていたEVO SLとは明らかに異質な接地感を生む。
ただし、期待していたNovablast 5の「柔らかいトランポリン」とは違った。Novablast 5が「着地した瞬間にふわっと沈み込み、ゆっくり返してくれる」トランポリンだとすれば、Superblast 2は「バネのあるトランポリン」だ。沈み込みよりも先に反発が返ってくる。柔らかさではなく、弾力。この違いは、履いた瞬間に分かる。
正直に書く。初めて走った10kmの感想は、「履き心地だけならNovablast 5の方が好きだ」だった。あの柔らかさ、あの気持ちよさは、Superblast 2にはない。だが、10km走り終えた時の脚の余裕と、スピードの出しやすさは、Novablast 5を明確に上回っていた。
この時点で、Superblast 2の本当の価値は「気持ちよさ」ではなく「実用性」にあると理解した。そして9ヶ月後の今、このシューズは私の30km走に欠かせない存在になっている。
🏃 ロング走での実走感:30km走で”疲れない”の意味
毎週日曜日の30km走。私のサブ3プロジェクトにおいて最も重要なトレーニングだ。前半20kmをEペースで刻み、残り10kmをMペースに引き上げる。この後半10kmの質を左右するのが、シューズのクッション性と脚の残り具合である。
Superblast 2で30km走を終えた後の感覚を一言で表すなら、「とにかく疲れない」。46mmのスタック高が25km以降も脚を守り続け、後半のMペースに切り替えても脚が売り切れない。翌日の月曜リカバリージョグにも響かない。これはEVO SLやTakumi Sen 11では得られない感覚だ。
EVO SLとの使い分け——速さ vs 持続力
EVO SLとSuperblast 2は、役割が明確に異なる。
EVO SLは、接地した瞬間のレスポンスが速い。足を置いた瞬間に反発が返ってくる。軽さも際立つ。LT走(3:57/km)やMP走で「速く走る」ためのシューズだ。
一方、Superblast 2は速さではなく「持続力」に振り切っている。接地のレスポンスはEVO SLに劣るが、20km以降のクッション性と脚の保護性能で圧倒する。短い距離を速く走るならEVO SL。長い距離を速く維持して走りたいならSuperblast 2。この使い分けが、週110kmのトレーニング設計を支えている。
MP走での感触——トップスピードではなく「持続」のシューズ
Superblast 2でMペースを刻むと、EVO SLやTakumi Sen 11、Magic Speed 4といったスピード系シューズと比べて反発の返りが若干遅い。重量差(EVO SL約224g vs Superblast 2約252g)も、速いペースになるほど感じる。
だが、Superblast 2の本質はトップスピードではない。「速いペースを、長い距離、疲れずに持続する」——ここに価値がある。Novablast 5などのデイリートレーナーと比べればスピードの出しやすさは明確にSuperblast 2が上だ。だがスピード系シューズとの比較では「持続力のシューズ」として位置づけるのが正しい。
私の使い分けは以下のとおりだ。
- LT走・テンポ走:EVO SL、(Takumi Sen 11)
- 日曜30km走(20km E + 10km M):Superblast 2
- 30km全Mペース走:Adios Pro 4
- リカバリー:Adistar 4 / Vomero 18
Superblast 2でもMP走は行う。だが、MP走がメインのトレーニングメニューであればEVO SLを選ぶ。30kmの超高強度ロング走ならAdios Pro 4。10kmのタイムトライアルならTakumi Sen 11やPro 4。毎週毎週そんな高強度をやるわけではない。だからこそ、「日常の高品質なロング走」のためにSuperblast 2が存在する。
⏱️ Durability:400kmの壁——EVO SLより長く持つクッション
| 観点 | EVO SL | Superblast 2 |
|---|---|---|
| クッション低下の壁 | 350km | 400km |
| 累計走行距離 | 1500km+(3足合計) | 700km+(2足合計) |
| ソール摩耗の偏り | なし | なし |
| 見た目 vs 走り心地の乖離 | あり(見た目は使えるが反発消失) | なし(比較的一致) |
Superblast 2のクッション性は、400kmあたりから低下を感じ始める。
1足目は500km以上走って引退させた。400kmを超えたあたりから、新品時のあの「厚みの安心感」が薄れていく感覚があった。ただし、EVO SLが350kmで明確に反発力を失ったのと比べると、Superblast 2の方が50km長持ちする。
現在はサブ3プロジェクト開始時に購入した2足目を使用中。走行距離は約200km。1足目の500km走行済みシューズと履き比べた時、クッションの弾力と硬さに明確な差を感じた。数値では見えないが、脚は正直だ。
ソールの摩耗に関しては、特筆すべき偏りはない。EVO SLの「見た目は使えるのにクッションが死んでいる」という現象は、Superblast 2ではまだ経験していない。見た目の劣化と走り心地の変化が比較的一致しているのは、実用上ありがたい。
⚖️ Comparison:他モデルとの徹底比較
私が実際に使用している4モデルとの比較を、実走データと感覚の両面から分析する。
| シューズ名 | Superblast 2 | ADIZERO EVO SL | Novablast 5 | Adios Pro 4 |
|---|---|---|---|---|
| 重量 | 約252g | 約224g | 約255g | 約220g |
| プレート | なし | なし | なし | あり(ENERGYRODS 2.0) |
| 推進力 | 高い | 非常に高い | 中程度 | 非常に高い |
| クッション性 | 非常に高い | 適度 | 高い | 適度 |
| 用途 | ロング走・MP走 | LT走・MP走 | Eペース・日常 | レース・30km+ |
| Superblast 2との比較 | — | 速さは上だが持続力は劣る | 柔らかさは上だが推進力は劣る | カテゴリが異なる(レース用) |
| 定価 | ¥24,200 | ¥19,800 | ¥16,500 | ¥26,400 |
| 購入 | 購入する | 購入する | 購入する | 購入する |
Novablast 5との比較——「楽しさ」を捨てて「スペック」に振り切ったシューズ
Novablast 5は「走っていて楽しい」シューズだ。トランポリン構造が生む柔らかい接地感は、Eペースのジョグを心地よい体験に変える。私がランニングを始めた時の最初の1足であり、今でも好きなシューズの1つだ。
Superblast 2は、その「楽しさ」を意図的に捨てている。クッションの柔らかさではNovablast 5が上だが、反発力と推進力はSuperblast 2が上回る。「良い意味でも悪い意味でも、スーパートレーナー」——これが私の評価だ。走っていて楽しいという感覚よりも、推進力やスペックの方に振り切っている。
日常のEペースで「走る喜び」を感じたいならNovablast 5。トレーニングの質を上げたいならSuperblast 2。同じASICSでも、目的が全く異なる。上位互換ではなく、別物だ。
EVO SLとの比較——レスポンスの速さ vs 長距離の安心感
軽さ、反発力、接地した瞬間のレスポンス——すべてEVO SLが上だ。EVO SLは足を置いた瞬間に「返してくれる」。この速さはSuperblast 2では得られない。
だが、EVO SLはスピード特化の代償として、30km走の後半でクッション性が不足する。私がEVO SLをロング走で使わない理由はここにある。30km走では20km地点を過ぎたあたりから、EVO SLの薄さが脚への負担として蓄積していく。
逆に、Superblast 2の46mmスタック高が生む脚の保護性能は、EVO SLでは決して得られない。速さのEVO SL、持続力のSuperblast 2。両方持つのが最適解だ。1足だけ選ぶなら、週の練習メニューのうちロング走の比重が大きい人はSuperblast 2、スピード練習の比重が大きい人はEVO SLを推す。
Adios Pro 4との使い分け——30km全Mペースなら Pro 4
Adios Pro 4はカーボンプレート搭載のレーシングシューズ。カテゴリが根本的に異なる。
私の基準は明確だ。日曜30km走の基本(20km E + 10km M)はSuperblast 2。30km全Mペースの高強度ロング走はAdios Pro 4。レースは当然Pro 4。Superblast 2は「日常の30km走」の相棒であり、Adios Pro 4は「勝負の日」の武器だ。
💪 Pros & Cons:メリット・デメリットの徹底分析
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 46mmの圧倒的な安心感 30km後半でも脚が残る 翌日に響かないダメージ軽減 踵まわりの快適なフィット EVO SLより50km長い耐久性 Novablast 5を超える推進力 | スパートレーナーの分類の中では重量が重め スーパートレーナー最高価格帯(¥27,500)。値下げされにくく、好みの黒カラーも入手困難 |
メリット
デメリット・気になる点
正直に書くと、Superblast 2に大きな不満はない。お気に入りのシューズだ。それでも気になる点を挙げるなら以下。
- ¥24,200はスーパートレーナー最高価格帯 —— 人気モデルゆえに値下げもされにくい。Novablast 5(¥16,500)との差額¥8,000に見合う価値があるかは、週の走行距離と練習の強度次第
- 約252gという重量 —— スーパートレーナーとしては標準的だが、EVO SL(約224g)やTakumi Sen 11と比べると明確に重い。46mmスタック高とクッション性のトレードオフであり、スピードを出したい場面では「もう少し軽ければ」と感じる
- 好みの黒カラーが入手困難 —— 店頭に並ぶのはエキデンパックなどの派手なカラーが中心。黒がめちゃくちゃかっこいいだけに、この入手難度がもどかしい
🎯 Recommendation:誰におすすめ?誰にはおすすめしない?
Superblast 2は、私が所有するシューズの中で最も多くの人におすすめできる1足だ。
EVO SLは走らされる感覚があるので「LT走やMP走で速く走りたい人」にピッタリだが万人に薦められるシューズではない。それに引きかえ、Superblast 2のクッション性と推進力のバランスは、幅広いランナーに価値を提供する。5分/kmで走るのが習慣になっている人には全員におすすめしたい。サブ4を目指すランナーにとっては、ロング走のメインシューズになり得る。
おすすめしない人——スーパートレーナーに投資する覚悟がない人
強いて挙げるなら、スーパートレーナーに¥24,200を投じることに抵抗がある人だ。デイリートレーナーやNovablast 5でも十分にトレーニングは成立する。Superblast 2は「もう一段上」を求めるランナーのための投資だ。
ただし、EVO SLの「おすすめしない人」と比べると、Superblast 2の方がはるかに幅広い層に対応できる。クッション性が高く脚への負担が少ないため、EVO SLのように「脚力がないと使いこなせない」ということはない。迷っているなら、Superblast 2の方が後悔しにくい選択だ。

📏 Fitting:サイズ選びとフィッティングの注意点
フィッティングに関して、特別な注意点はない。サイズ感に癖がなく、普段履いているランニングシューズと同じサイズで問題ないだろう。
ただし、1つだけ言いたいのは「店頭で試着して、必ず走ってみてほしい」ということだ。Superblast 2の価値は、立った時の感触ではなく「走った時のクッション性と推進力の両立」にある。立って感じるクッションと、走って感じるクッションは全く別物だ。可能であれば、店頭の試走コースで少しでも走ってから判断してほしい。
❓ FAQ:よくある質問
- Superblast 2はサブ3を狙うレースで使えますか?
-
使えなくはないが、レースにはAdios Pro 4やMetaspeed Edge Tokyoなどのカーボンプレート搭載シューズの方が適している。Superblast 2の本領はトレーニング——特にロング走での脚の保護と持続力にある。レースでの推進力を最大化するなら、プレート搭載シューズを選ぶべきだ。
- Novablast 5とSuperblast 2、どちらを選ぶべきですか?
-
目的による。走る楽しさ・柔らかい履き心地を重視するならNovablast 5。トレーニングの質を上げ、推進力と持続力を求めるならSuperblast 2。価格差も¥8,000あるため、初心者や日常ジョグ中心のランナーならNovablast 5で十分だ。週4回以上走り、ロング走の質を重視するランナーにはSuperblast 2を推す。
- EVO SLとSuperblast 2、どちらを選ぶべきですか?
-
役割が全く違うため、比較対象にならない。LT走・テンポ走にはEVO SL、ロング走にはSuperblast 2。両方持つのが最適解だ。1足だけ選ぶなら、週の練習メニューのうちロング走の比重が大きい人はSuperblast 2、スピード練の比重が大きい人はEVO SLを選ぶべきだ。
- Superblast 2の耐久性は何kmですか?
-
私の経験では、400km前後でクッション性の低下を感じ始める。500km以上走った1足目は引退させた。ただし、EVO SLが350kmでクッション低下を感じたのと比べると、約50km長持ちする。ソールの摩耗に特筆すべき偏りはなく、見た目と走り心地の変化が比較的一致している。
- ランニング初心者にもおすすめですか?
-
EVO SLよりも幅広い層におすすめできる。クッション性が高く脚への負担が少ないため、脚力に自信がなくても履きこなせる。ただし、¥24,200という価格に見合う練習量があるかは考慮すべきだ。週3回以上走るランナーであれば、投資する価値はある。月に数回しか走らないなら、まずはNovablast 5から始めることを推す。
📝 Conclusion:30km走の”盾”
「疲れない」——Superblast 2の価値を一言で表すなら、これに尽きる。
スーパートレーナーは数多く存在する。だが、46mmのスタック高にFF TURBO PLUSを詰め込み、プレートなしで推進力とクッション性を両立させたシューズは、Superblast 2以外にない。
正直に告白する。初めて履いた時、私はNovablast 5の方が好きだと思った。あの柔らかさ、あの「走って楽しい」感覚は、Superblast 2にはない。だが、700km走って気づいた。私が求めていたのは「楽しさ」ではなく「信頼」だった。
30km走の後半、脚が売り切れそうな25km地点で、まだクッションが生きている。翌日のリカバリージョグで、脚が重くない。この安心感に、何度救われたかわからない。
サブ3を目指す33歳、週110kmのトレーニングにおいて、Superblast 2は日曜30km走の絶対的な相棒だ。EVO SLが「速さの武器」なら、Superblast 2は「持続力の盾」。この2足の使い分けが、私のサブ3プロジェクトを支えている。
5分/kmで走れる人には全員におすすめしたい。サブ4を目指す人にとってはロング走のメインになり得る。そしてサブ3を目指す私にとっては——毎週日曜日の30km走を、安心して任せられる唯一のシューズだ。



コメント