「Novablast 5で感じたあのトランポリンの高揚感が、ついに”スーパーシューズ”として帰ってきた」——これが、Superblast 2を700km走り込んだ私がSUPERBLAST 3を履いた瞬間の結論だ。
週110km、サブ3を目指す33歳ランナーとして、Superblast 2は私のロング走の主力だった。毎週日曜の30km走で後半に質を入れる——その役割を担い続けた一足の後継として、SUPERBLAST 3は期待以上の進化を遂げていた。
- FF LEAPが生む「トランポリン感」——Superblast 2にはなかった最大の進化。Novablast 5の弾む感覚がスーパーシューズで復活した
- 約10g軽量化+柔らかさの向上——スタック46.5mmなのに214g。「厚いのに軽い」という未体験の感覚
- EVO SLとの使い分けは不変——「消しゴム型反発(EVO SL)」と「トランポリン型反発(SB3)」は根本的に質が異なる
- 本領は30km後半に質を入れるロング走——LT走にも対応するが、脚を守りながらペースを上げる用途が最適解
- NB5のワクワク感 × SB2のロング走適性——両モデルの長所を統合した「超スーパーシューズ」
📊 Specification:SUPERBLAST 3の基本スペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 発売日 | 2026年3月1日 |
| 価格 | ¥26,400(税込) |
| 重量 | 約214g(26.0cm) |
| ドロップ | 8mm |
| スタック高 | 46.5mm(ヒール)/ 38.5mm(フォアフット) |
| ミッドソール | FF LEAP(上層)+ FF BLAST+(下層) |
| アッパー | エンジニアードウーヴンメッシュ |
| アウトソール | ASICSGRIP + トランポリンポッド構造 |
| プレート | なし |
| 前モデル比 | 約10g軽量化 / エネルギーリターン15.4%向上 |
SUPERBLAST 3最大の変更点は、ミッドソール上層部にFF LEAPを採用したことだ。FF LEAPは、METASPEEDシリーズ(Sky / Edge Tokyo)に搭載されているASICS最軽量・最高反発フォーム。従来のFF BLAST TURBOと比較して33%軽量かつ13%高反発——それをデイリートレーナーに落とし込んだことで、Superblast 2比でエネルギーリターンが15.4%向上している。
下層のFF BLAST+が接地時の安定性とアウトソール耐久性を支え、上層のFF LEAPが反発とクッション性を担う。レーシングテクノロジーをトレーニングシューズに移植した二層構造だ。さらに、前足部にはより攻撃的なダイヤモンド形状の「トランポリンポッド」を新搭載し、蹴り出し時のエネルギーリターンを強化している。

👟 First Impression:手に取った瞬間の「軽さ」と足入れの「柔らかさ」
手に取った瞬間、「軽い」。それが最初の一言だった。Superblast 2を2足、合計700km走り込んできた手は、その差を正確に感じ取る。スペック上は約10gの差だが、手に持った感覚ではそれ以上だ。スタック高は46.5mmとSB2から1.5mm増しているにもかかわらず、この軽さ。FF LEAPの軽量性がそのまま体感重量に直結している。
足を入れた瞬間のフィット感も良好だ。エンジニアードウーヴンメッシュのアッパーは足を包み込むように密着しつつ、窮屈さはない。そして何より、足裏に伝わるFF LEAPの柔らかさ。この感覚には覚えがあった。Novablast 5だ。
私はNovablast 5でランニングを始めた。あの時の「弾む」感覚、走り出す前からワクワクするようなトランポリン感。それがSuperblast 2には正直なかった。SB2は安定感と耐久性に優れた「堅実なロング走シューズ」であり、トランポリンのような弾む高揚感とは別の魅力を持つ一足だった。Novablast 5のトランポリン構造を進化させた——という謳い文句にしては、その「トランポリン感」を十分に生かしきれていない。それがSB2に対する正直な評価だった。
SUPERBLAST 3は、そのNovablast 5のトランポリン感を取り戻した上で、Superblast 2のロング走適性をさらに強化している。Novablast 5 × Superblast 2。その融合が、この一足に詰まっている。

🏃 実走感:Eペースからのペースアップで見えた二面性
| ペース帯 | 体感 | SB2との差 |
|---|---|---|
| Eペース(5:00/km) | 脚が守られる柔らかいクッション | SB3の方が柔らかく負担が少ない |
| LTペース(3:57/km) | FF LEAPの沈み込み→反発でスピードも出る | SB3の方が軽くスピードを出しやすい |
Eペース(5:00/km前後)——脚を「守る」クッション
Eペースでの印象は、とにかく脚が守られている感覚だ。FF LEAPの柔らかさが着地衝撃を吸収し、足への負担感がほぼない。この感覚はSuperblast 2にもあったが、SB3はさらに一段上だ。SB2よりも軽く、柔らかい素材になったことで、リカバリーランや普段のジョグでの脚への負担はSB2以上に軽減されている。
私のLTHRは179bpm、LT Paceは3:57/km。Eペースの5:00/kmは完全な有酸素域であり、心拍は130bpm台に収まる。このペース帯でシューズに求められるのは「反発」ではなく「保護」だ。その点で、SB3は文句なしの性能を発揮する。
LTペース(3:57/km前後)——FF LEAPの反発が目を覚ます
ペースを3:57/kmまで上げた時、FF LEAPの別の顔が現れる。着地で一度沈み込み、そこから弾き返すような反発。スピードの出しやすさは十分にあり、LT走での使用にも問題なく対応できる。スーパーシューズに求められる「一足でどんな練習もこなせる」という要件を、SB3は確実に満たしている。
ここで驚くのは、スタック高46.5mmという数値だ。ADIZERO EVO SLと比較すると約8mmも厚い。なのに、この軽さとスピードの出しやすさ。「厚みがあるのにこの軽い感じ」——これは今まで経験したことがない感覚であり、SUPERBLAST 3が持つ最大のポテンシャルだと感じている。
ただし、正直に言う。LTペースでのスピードの出しやすさにおいて、EVO SLには及ばない。その理由は「反発の質」の違いにある。
⚖️ Comparison:EVO SL・Superblast 2との徹底比較
| SUPERBLAST 3 | ADIZERO EVO SL | SUPERBLAST 2 | |
|---|---|---|---|
| 重量 | 約239g | 224g | 約249g |
| ミッドソール | FF LEAP + FF BLAST+ | Lightstrike Pro | FF TURBO+ + FF BLAST+ ECO |
| スタック高 | 46.5mm / 38.5mm | 38.5mm / 32mm | 45mm / 37mm |
| ドロップ | 8mm | 6.5mm | 8mm |
| 反発の質 | トランポリン型(沈み込み→爆発) | 消しゴム型(ダイレクト反発) | 硬め反発(安定志向) |
| クッション性 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
| 推奨用途 | ロング走・デイリー全般 | LT走・MP走・スピード練習 | ロング走・デイリー |
| SB3との比較 | —— | スピードの出しやすさは上 | 重く固い → SB3で解消 |
| 価格(税込) | ¥26,400 | ¥19,800 | ¥24,200 |
| 購入する | 購入する | 購入する |
EVO SLとの決定的な差——「消しゴム」と「トランポリン」
SUPERBLAST 3とADIZERO EVO SLは、どちらも「スーパーシューズ」に分類される一足だ。反発力という点では、両者は同等のポテンシャルを持っている。しかし、反発の「質」がまるで違う。
EVO SLのLightstrike Proは、消しゴムのような固めの弾力で反発を返す。接地した瞬間に「パンッ」と弾かれるダイレクトな感覚。沈み込みが少なく、蹴り出しの回転が速い。だからこそ、LT走やMP走でのスピードの出しやすさ、ピッチの回転のしやすさはEVO SLに軍配が上がる。
対してSUPERBLAST 3のFF LEAPは、トランポリンのように一度沈み込み、そこから爆発するように反発を返す。着地→沈み込み→反発という三段階のプロセスがあり、その分だけスピードの「切れ」はEVO SLに劣る。しかし、この沈み込みこそが長距離での脚の保護につながる。
EVO SLはハーフまでのスピード練習で使いたい。SB3は30km走——前半20kmをEペースで走り、残り10kmをMペースに上げるような「足を守りながらスピードも出す」練習に最適だ。なお、EVO SLの詳細なレビューはこちらの記事で詳しく書いている。
もともとスーパーシューズはEVO SL一択だと思っていた。しかしSUPERBLAST 3の登場で、その認識は変わった。SB3はEVO SLと同等のスーパーシューズとして、私のラインナップに確かな居場所を確立した。
Superblast 2からの進化——「固さ」から「弾む」へ
Superblast 2は好きなシューズだった。30kmのロング走で頼りになる安定感。しかし、スーパーシューズという括りの中では「少し重い」「少し固い」という印象があったのも事実だ。Novablast 5の進化版トランポリン構造を謳いながら、実際にはそのトランポリン感を十分に生かしきれていない——それがSB2に対する正直な評価だった。
SB3はそこを正面から解決した。FF LEAPへの刷新で柔らかさとトランポリン感を復活させ、約10gの軽量化も実現。Novablast 5で感じたあの「弾む走り心地」が、スーパーシューズのスペックで再現されている。「固い」から「弾む」へ。この変化は、数値以上に走りに効く。
以下が、SB3を含めた私の現在のシューズ使い分けだ。
- LT走・MP走 → ADIZERO EVO SL(メイン)/AdiosPro4(週1回)
- ロング走(30km) → SUPERBLAST 3(最適)
- Eペース→ SUPERBLAST 3 / EvoSL/ Adistar 4
- インターバル → EvoSL/AdiosPro4
- レース → Hyperwarp Pure
⏱️ Durability:SB2の700kmから推測する耐久性
Superblast 2では、2足を合計約700km走行した。クッションの劣化を感じ始めたのは350〜400km付近だ。見た目のソールの摩耗以上に、足裏が伝える「クッションの沈み込みが浅くなった」感覚——それがSB2の寿命サインだった。
SUPERBLAST 3は発売直後のため、耐久性についてのデータはまだない。ミッドソール素材がFF TURBO+からFF LEAPに変わったことで、耐久性にどう影響するかは未知数だ。ただし、下層にFF BLAST+を据えた構造はSB2と同じであり、アウトソールのASICSGRIPも引き続き搭載されている。大きな劣化は考えにくいと予想している。走り込んだ段階で、追記・更新する。
💪 Pros & Cons:メリット・デメリットの徹底分析
| メリット | デメリット |
|---|---|
| FF LEAPのトランポリン感 約10gの軽量化 厚いのに軽い(46.5mm × 239g) Eペースでの脚保護力 LTペースにも対応する汎用性 NB5 × SB2の融合 | トップスピード用途ではない(EVO SL / Takumi Sen 11の領域) |
メリット
デメリット・気になる点
トップスピードを出すシューズではない。それはSUPERBLAST 3の弱点ではなく、そもそもの設計思想が違うだけだ。スピード練習にはAdiosPro4、LT走・MP走にはEVO SLがある。SB3に求めるのは「長距離で脚を守りながら、必要な時に反発も返す」こと。その役割を、SB3は完璧にこなしている。
FF LEAPの柔らかさゆえに、高速域ではやや沈み込みが深く、消しゴム型のダイレクト反発に慣れた脚にはスピードの「切れ」が足りないと感じる場面もある。ただし、これは46.5mmのスタック高と柔軟なクッションのトレードオフであり、ロング走のペース帯では全く問題にならない。
強いて追加で挙げるなら、価格が¥26,400と安くはない点だ。ただし、SB2と同額であり、FF LEAPへの刷新を考えれば十分に妥当な設定だと感じている。
🎯 Recommendation:誰におすすめ?誰にはおすすめしない?
Novablast 5が好きだった人、Superblast 2が好きだった人。この両方にSUPERBLAST 3は確実に刺さる。NB5の弾むワクワク感とSB2のロング走適性、その両方を知っている人が履けば「これだ」と感じるはずだ。
30km走で後半に質を入れるような練習をしている人——つまり、20kmをEペースで走り、残り10kmをMペースに上げるような組み立てをしている人には、SB3は最適解だ。FF LEAPの柔らかさが前半の脚を守り、FF LEAPの反発が後半のペースアップを支える。
スピード特化の一足を探している人にはおすすめしない
LT走やインターバルがメインの練習で、そのための一足だけを探しているなら、EVO SLやTakumi Sen 11の方が適している。SB3は「全部こなせる」が、スピード特化ではない。消しゴムのような固い弾力で蹴り出すEVO SLの回転の速さは、SB3のトランポリン型反発では再現できない。「速く回す」シューズではなく、「長く弾む」シューズ。SB3の本質はそこにある。
📏 Fitting:SB2と同じサイズでOK
Superblast 2と同じサイズで購入した。結果、全く問題なし。つま先の余裕、ワイズ感、ヒールのホールド——いずれもSB2と同等のフィット感だ。SB2を履いていた人は、同じサイズを選べば間違いない。
最終的には、実際に履いて走ってみてほしい。SUPERBLAST 3の「弾む感覚」は、店頭で足を入れただけでは半分も伝わらない。走り出した瞬間に、FF LEAPのトランポリン感が足裏から全身に伝わってくる。その体感は、走った人だけのものだ。
❓ FAQ:よくある質問
- SUPERBLAST 3はフルマラソンのレースで使えるか?
-
スタック46.5mmのクッション性はフルマラソンで魅力的だが、スピードの出しやすさではAdios Pro 4やMetaspeed Edge Tokyoに劣る。ハーフまでのレースならSB3でも十分対応可能だが、フルのタイムを狙うならレーシングシューズを選ぶべきだ。練習の30km走でSB3を使い、本番はレーシングシューズ——これがベストな戦略だ。
- Superblast 2からの買い替えは必要か?
-
SB2に「重さ」や「固さ」を感じていた人には強くおすすめする。FF LEAPによるトランポリン感の復活と約10gの軽量化は、体感で明確にわかる違いだ。一方、SB2の安定した固めの乗り心地が好みなら、あえて買い替える必要はない。好みの問題であり、SB2が悪くなったわけではない。
- EVO SLとどちらを選ぶべきか?
-
用途による。LT走・MP走がメインならEVO SL、30kmのロング走がメインならSB3。両方持てるなら両方持つのが理想だ。反発の質が「消しゴム型(EVO SL)」と「トランポリン型(SB3)」で根本的に異なるため、互いの代替にはならない。
- ランニング初心者にもおすすめか?
-
¥26,400という価格とスーパーシューズというカテゴリを考えると、初心者の最初の一足としてはNovablast 5の方が適している。SB3のFF LEAPが生む「弾む感覚」はフォームが安定していないうちは逆に不安定さにつながる可能性がある。まずNB5でランニングを始め、走力が上がってからSB3にステップアップするのが理想的だ。
- Novablast 5とどちらを選ぶべきか?
-
NB5の弾む感覚が好きで、さらにスピード対応力とロング走の脚持ちを求めるならSB3。デイリーの気持ちいいジョグを重視し、価格も抑えたいならNB5。SB3はNB5のトランポリン感を継承しつつ、スーパーシューズとしてのスペック(FF LEAP、239g、46.5mmスタック)を上乗せした一足だ。
📝 Conclusion:Novablast 5のワクワク感が帰ってきた超スーパーシューズ
「Novablast 5のワクワク感がスーパーシューズになって帰ってきた」——SUPERBLAST 3を一言で表現するなら、これに尽きる。
スーパーシューズ市場にはEVO SL、ペガサスプラス、フューエルセルレベル5と選択肢が溢れている。その中でSUPERBLAST 3が獲得した独自のポジションは、「トランポリン型反発 × ロング走適性」だ。消しゴム型のダイレクト反発でスピードを追求するEVO SLとは、そもそも設計思想が違う。だからこそ、両者は共存できる。
FF LEAPとFF BLAST+の二層構造が生む、着地→沈み込み→爆発という反発プロセス。33%軽量かつ13%高反発のレーシングフォームを、デイリートレーナーで味わえる贅沢。Novablast 5で始まったトランポリン構造の系譜を、スーパーシューズの領域で完成させた一足。それがSUPERBLAST 3だ。
週110km、サブ3を目指す33歳ランナーとして、SB3は私のロング走の主力シューズとなる。毎週日曜の30km走——前半20kmで脚を守り、後半10kmで質を入れる。その役割を、SUPERBLAST 3はSuperblast 2以上のレベルで担ってくれるだろう。
Novablast 5が好きだった人。Superblast 2が好きだった人。その両方の記憶に応える一足を、ASICSは作り上げた。SUPERBLAST 3は、私のシューズラインナップの中で確かな居場所を獲得した。EVO SLとの二枚看板で、これからもサブ3への道を刻んでいく。




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