社会人ランナーが週110kmを「削らない」ために捨てたもの——家族・仕事・睡眠を守る時間設計

社会人ランナーが週110kmを「削らない」ために捨てたもの——家族・仕事・睡眠を守る時間設計
📌 この記事の結論
  • 週110kmは「生活の残り時間」で決めた最大値である——家族・仕事・睡眠を先に固定し、その余白として残った距離が110kmだった。
  • 距離を増やす前に「何を捨てるか」を決めた——夜のお酒・ゲーム・夜更かし・無駄な飲み会・無駄な糖分を削り、翌朝の再現性を優先した。
  • 優先順位は「家族→仕事の質→睡眠→週110km」——どれかを削る必要が出た時点で、真っ先に見直すのは距離であり、110kmそのものではない。
  • 110kmを真似する必要はないが、「捨てるリスト」を持つ必要はある——自分の生活から最適ボリュームを設計するには、まず不要なものを列挙して切り落とす作業が欠かせない。

私は33歳、湘南エリア在住の社会人ランナー。身長168cm・体重57.1kg、VO2maxは61。フルマラソンPBは3時間34分12秒。PMO・企業コンサルタントとしてフルタイムで働きながら、週110kmを走り続けている。

ここで言いたいのは、「週110kmはすごいでしょう」という話ではない。家族・仕事・睡眠を優先したうえで、最後に残った“余白”としての距離が110kmだったという事実だ。この記事では、週110kmを「削らない」ために、私が具体的に何を捨て、何を絶対に削らないと決めたのかをログとして残す。

目次

Overview:週110kmを「削らない」と決めた背景

ランニングを始めたのは2025年1月3日だった。新年の目標を考える中で、「来シーズンのフルマラソンでサブ4を達成する」と決め、湘南国際マラソンをターゲットレースに選んだ。その瞬間から、生活の優先順位ははっきりと変わった。

最初にやったのは特別な練習メニューを組むことではない。「無駄なものを削るリスト」を頭の中で作り、その場で実行に移したことだ。

  • 毎日の夜のお酒をやめる。
  • ゲームをやめる。
  • 夜更かしをやめる。
  • 「無駄な飲み会」を切る。
  • 無駄な糖分・おやつをやめる。

これらはすべて、2025年1月3日の「ランニング開始」と同時にやめた。徐々に減らすのではなく、「今日から切り替える」と決めて実行した。その後、VO2maxは48から61へ、体重は最高時から-17kgまで落ち、週110kmというボリュームも無理なく回せるようになっていった。

週110kmは、根性でひねり出した数字ではない。週110kmは“宗教”ではない——33歳サブ3挑戦ランナーの最適ボリューム設計図でも書いたように、

「家族・仕事・睡眠を守ったうえで、質を落とさずに積み上げられる最大値」

として決まった数字である。この記事では、その内側にあるトレードオフを切り出していく。

Lifestyle:フルタイム+家族持ちランナーの時間制約

私の前提条件はシンプルだ。

  • 仕事はフルタイム(リモートワーク中心)で、朝9時開始
  • 9時までに「ランニング→シャワー→朝食→子どもの送迎」を終わらせる。

ここから逆算すると、平日のトレーニングに使える時間は最大でも90分になる。Eペースをおおよそ5:00/kmとすると、90分で18km。ポイント練習を入れる日は、アップ・ダウン込みで12〜15kmが現実的な上限だ。

時間帯内容
5:00~起床
5:15~5:30ストレッチ、着替え等
5:45〜7:15ランニング
7:15〜7:30シャワー
7:30〜8:00朝食
8:00〜8:30子どもの送迎
9:00〜仕事開始(PMO・企業コンサルタント)

このタイムテーブルは、平日だけでなく土日も大きくは崩さない。起床・就寝時間のブレを減らすほど、回復のブレも減るからだ。距離を増やすより先に、「生活リズムの変動を減らす」ことを優先した結果、110kmが自然に収まるようになった。

Trade-off:週110kmのために実際に捨てたもの

週110kmを走るために本当に効いたのは、「何をやるか」ではなく、「何をやめるか」を先に決めたことだった。

夜:お酒・ゲーム・夜更かしを一気に切った理由

2025年1月3日、「来シーズンのフルマラソンでサブ4を達成する」と決めたその日から、夜のお酒・ゲーム・夜更かしはすべてやめた。理由は単純で、翌朝の自分のパフォーマンスを最大化したかったからだ。

お酒と夜更かし、スクリーンタイムの組み合わせは、睡眠の質とレディネスを確実に落とす。Garminで睡眠や回復のデータを見るようになると、そのダメージは「なんとなく」ではなく数字として突きつけられる。

週110kmを回そうとすると、ここに誤差を入れる余地はほとんどない。だから、「夜の快楽」よりも「翌朝の安定した走り」を優先した。結果として、朝ラン前提の生活が崩れなくなり、1週間単位で見たときのトレーニング再現性が一気に上がった。

社交:無駄な飲み会を「無駄」と定義した基準

次に削ったのが、「無駄な飲み会」だ。ここで言う「無駄」とは、私にとって以下の条件を満たす場である。

  • 明確な目的がない(ただダラダラと愚痴をこぼすだけ)。
  • 翌朝のランを確実に潰す時間帯まで続く。
  • お金とエネルギーだけが削られ、翌日に残るものがない。

仕事上必要な会食や、明確な目的がある場は残した。その一方で、「なんとなく」で積み上がっていた飲み会はすべて距離の敵になりうると判断し、優先度の低いものから切っていった。

食習慣:無駄な糖分・おやつをやめた意味

静かに効いてきたのが、「無駄な糖分・おやつ」をやめたことだ。なんとなく口にする甘いお菓子や、夜にダラダラ食べるスナックは、体重と睡眠の両方に悪影響を与える。

体重が増えれば、1kmあたりのエネルギーコストは確実に上がる。VO2max 61という「エンジン」を持っていても、車体が重くなればフルマラソンでは不利になる。最高体重から-17kgまで落とした過程で、私は「走るための燃料(プロテイン・オートミール・納豆・ツナ缶など)」と「なんとなく食べるもの」を完全に分離した。

前者は残し、後者は切る。そう決めたことで、体重と体調のブレが減り、週単位での練習の安定感が増した

Priority:削らないものの優先順位とロジック

捨てたものばかりを並べるとストイックに見えるが、思考の順番は逆である。私はまず、「絶対に削らないもの」を先に決めている。

優先順位項目理由
1位家族朝食・送迎・休日の一家団らんは「固定枠」として先にカレンダーに入れる。
2位仕事の質PMO・企業コンサルとしてのアウトプットがブレるなら、それは本末転倒。
3位睡眠6〜7時間を下回ると、仕事とトレーニングの両方でパフォーマンス低下が顕著になる。
4位週110km上の3つを守ったうえで残った最大値が110kmであり、崩れるなら真っ先に見直す対象。

この順番が崩れるくらいなら、週110kmはあっさり削っていいと考えている。「110kmを守るために家族や仕事・睡眠を削る」のではなく、「家族・仕事・睡眠を守ったうえで結果として110kmになっている」という構造を崩さないことが重要だ。

もし家族との時間が確保できない、仕事の質が落ちる、睡眠が足りない——こうしたサインが出た時点で、最初に調整すべきは距離であり、決して家族や仕事や睡眠ではない。そう決めておくことで、距離に対して変な執着を持たずにいられる。

Practice:週110kmを支える週間スケジュール

考え方だけではイメージが湧きにくいので、週110kmを支える現在の週間スケジュールをざっくり示しておく。

曜日内容シューズ距離の目安
リカバリー(Eペース)アディスター4 or ボメロ188〜10km
インターバルタクミセン1112〜15km
Eペース走EvoSL16km前後
LT走(閾値走)タクミセン118~10km
リカバリー(Eペース)ボメロ1810km前後
マラソンペース走(MP)EvoSL20km前後
ロング走(E〜Mペース)スーパーブラスト230km

ポイントは、「週110kmを走ること」自体が目的ではないということだ。目的はあくまで、サブ3、そしてその先のサブ2:30に向けて、VO2max 61という能力を42.195kmに落とし込んでいくことにある。そのための実験環境として、上記のような週間構造が今の自分にはフィットしているだけだ。

Mindset:捨てる勇気と、継続のための思考法

週80〜110kmを目指す社会人ランナーにとって、一番のボトルネックは「根性」ではない。優先順位を決める勇気と、捨てる決断だと感じている。

私はこう考えている。

  • 目標を達成するとは、「何をやるか」と同時に「何を捨てるか」を決めることである。
  • 不要なものはどんどん捨てていき、最後に残ったものが「本当に大切なもの」になる。
  • 無駄だと思うものをすべて捨てるくらいの気力がないと、1つのことを長く続けるのは難しい。

何か一つでも「これだけは成し遂げたい」と思うものがあるなら、やることリストを増やす前に、やめることリストを書き出してみてほしい。私にとっては、それがたまたま「夜のお酒・ゲーム・夜更かし・無駄な飲み会・無駄な糖分」だっただけだ。

FAQ:週110kmとトレードオフに関するよくある質問

Q. 家族との時間を削らずに、本当に週110kmも走れるのか?

A. 家族との時間は「残り時間で調整するもの」ではなく、先にカレンダーに固定するものだと考えている。朝食・送迎・休日の一家団らんを先にブロックし、そのうえで空いた時間に練習を置いていく。順番を逆にしないことで、距離のために家族を削る発想自体が消える。

Q. 仕事のパフォーマンスが落ちる心配はないのか?

A. 仕事の質は優先順位の2番目に置いている。朝ラン前提の生活に切り替えたことで、日中に眠気やだるさを感じることはほとんどない。むしろ、朝に走ることで頭がクリアになり、集中力が増した感覚がある。もし仕事の質が落ちたと感じたら、その時点で真っ先に見直すのは距離だ。

Q. 週110kmまで距離を増やさないとサブ3は狙えないのか?

A. そんなことはない。これはあくまで、私の生活条件とVO2max・走力・回復力から導かれた「今の最適ボリューム」にすぎない。大事なのは、誰かの距離を真似ることではなく、自分の生活と目標から距離を設計し直すことだと思っている。

週110kmという数字は、特別な勲章ではない。湘南という土地で、妻と息子と暮らしながら、PMOとして働き、サブ3を目指す33歳の私が、「家族・仕事・睡眠を守ったうえで残った最大値」として選んだ設定値にすぎない。

あなたには、あなたの生活がある。もし週80〜110kmを目指したいなら、まずは「捨てるリスト」から始めてほしい。そのうえで残った時間とエネルギーから、自分だけの最適ボリュームを設計していけばいい。そのプロセスに、このN=1の実験ログが少しでも役立てばうれしい。

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この記事を書いた人

RuncersLAB運営。フルマラソンでの目標達成に向けて、論理的かつ科学的なアプローチでトレーニングに励む市民ランナー。 現在は「週110km」の走行をベースに、Vo2MAX61を基準とした独自のメニューを追求中。自身の体験とデータに基づき、42.195kmを「使い切る」ための戦略やギアレビューを発信しています。

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