Apple WatchからGarminへ移行した理由:データの質がトレーニング設計をどう変えたか【LTHR 179bpmの測定プロセス】

📌 この記事の結論
  • Apple WatchとGarminの違いは「データ項目数」と「トレーニング設計への導線」にある——Apple Watchは7項目、Garminは上下動・設置時間・LTHRなど多項目を取得でき、練習設計の精度が変わる
  • Garmin導入のきっかけはChatGPTとの対話で「上下動」「設置時間」の存在を知ったこと——Apple Watchでは取れないデータがあることに気づき、ランニング開始から約1.5か月後の2025年2月後半に移行した
  • データを信じる哲学は変わらないが、データをトレーニングに活かす思考はGarmin導入前後で大きく変化した——Apple Watch時代は感覚ベース+ChatGPT相談、Garmin導入後は心拍ゾーン基準で具体的なメニュー設計へ
  • 初心者は「ランニングを極めたいか」で選ぶべき——日常使い重視ならApple Watch、ランニング特化ならGarmin。ただしGarminは設定方法の学習コストがある
  • LTHR基準への移行がEペースの走行距離を変えた——Garmin導入後にLTHR 179bpmを測定し、心拍ゾーン基準で練習設計することで、強度設定の精度が向上した
目次

Context:Apple Watch時代の練習環境と取得できたデータ

ランニングを始めた2025年1月3日から約1.5か月間、私はApple WatchとNike Runアプリの組み合わせで練習を記録していた。この期間に取得できたデータは、平均ペース・走行距離・時間・消費カロリー・高低差・平均心拍数・ピッチの7項目のみ。VO2maxはAura Ringというリング型デバイスで測定し、その値は48だった。心拍データは取得できていたが、精度への意識は低く、練習設計という概念すらなかった。

データ項目Apple Watch + Nike Run備考
平均ペース基本的な指標
走行距離GPS計測
時間経過時間
消費カロリー推定値
高低差標高データ
平均心拍数光学式心拍計
ピッチ歩数から算出
上下動×取得不可
設置時間×取得不可
LTHR×概念すら知らなかった
心拍ゾーン×設定機能なし
ランニングパワー×取得不可

練習設計については、感覚ベースで走るか、Nike RunアプリのスクリーンショットをChatGPTに投げて「どんな練習をしたらいいか」を聞く程度だった。Apple Watchはランニングデータを記録するためのデバイスであり、練習設計を推奨する機能はない。インターバルメニューはNike Runアプリ側に表示機能はあったが、Apple Watch自体が「計画的に練習メニューを立てて改善していく」という意識を生み出す設計にはなっていなかった。

この期間の練習は、「とにかくがむしゃらに走る」というレベル。練習設計で困ったというより、練習設計をする手段がわからず、そもそも練習を設計するという思考に至らなかった。今思えば、これがApple Watch時代のマイナス面だった。

Trigger:Garmin導入のきっかけ——ChatGPTとの対話で知った「上下動」と「設置時間」

ランニングを極めたいと思い始めた頃、ChatGPTに「どうしたらランニングの力が向上するのか」を聞いた。その時に「どんな情報があればアドバイスできますか」と逆質問したところ、生成AIは「歩幅」「上下動」「設置時間」といった項目を教えてくれた。その瞬間、初めてランニングには上下動や設置時間という指標があることを知った。そして、Apple Watchではこれらのデータが取れないことに気づいた。

🗺️ 要点
  • ChatGPTに「どうしたらランニングの力が向上するか」を質問
  • 逆質問で「どんな情報があればアドバイスできるか」を聞いた
  • 「歩幅」「上下動」「設置時間」という項目の存在を知った
  • Apple Watchではこれらのデータが取れないことに気づき、ランニング専用ウォッチの導入を決意

2025年2月20日から26日頃、ランニング開始から約1.5か月後にGarminを導入した。決断の理由は明確だった。「もっとランニングを極めたい」という思いと、「そのために必要なデータがApple Watchでは取れない」という事実。デバイス選びは、機能比較ではなく、自分の目的に必要なデータが取れるかどうかで決めた。

スクロールできます
ブランド代表機種特徴価格帯主な強み
GarminForerunner 265/570/965ランナー人気NO.1。GPS計測の信頼性が高く、マルチバンドGNSS対応。機能性が充実(地図、音楽保存、Suica対応)5-10万円機能性とスマート機能のバランス、利用者が多い
COROSPACE 3軽量性とバッテリー持ちで優位。価格がGarminより低め。二周波GNSS対応で精度も高い。エリウド・キプチョゲ選手や大迫傑選手が愛用4-6万円コスパ、軽量性、バッテリー持ち
SuuntoRACE 2 / Run北欧製造の堅牢性と無料オフラインマップが強み。RACE 2は2,000ニットAMOLED搭載で視認性が秀逸。軽量モデル(Suunto Run:36g)もあり5-8万円堅牢性、オフラインマップ、視認性
PolarPacer Pro / Vantage M3心拍計測のパイオニア。HRV計測やコーチング機能が充実。トレーニング解析とコストパフォーマンスに強み4-7万円心拍計測精度、トレーニング解析、コストパフォーマンス

私がGarminを選んだ理由は、利用者が多かったからだ。他の機種(COROS、Suunto、Polar)でも問題なかったと思う。上下動や設置時間といったデータが取れ、心拍ゾーン基準で練習設計ができるという条件を満たしていれば、どのブランドでも目的は達成できたはずだ。ただし、Garminを使っている人が多いということは、情報共有やコミュニティでの親近感が湧くというメリットがある。別にGarminに固執しているつもりもないので、他のデバイスでもっと正確な項目が取れるとか、もっと精度が高い情報が取れるんだったらそっちに行ってもいいと思っている。

Comparison:取得できるデータの比較——7項目 vs 多項目の違い

Apple Watch時代に取得できたデータは7項目のみだったが、Garmin導入後は上下動・設置時間・LTHR・心拍ゾーン・ランニングパワーなど、多項目のデータが取得できるようになった。単純に取れる項目が違うため、データの質は全く異なる。

観点Apple Watch時代Garmin時代
取得データ項目数7項目20項目以上
上下動×○(cm単位で計測)
設置時間×○(ms単位で計測)
ピッチ○(歩数から算出)○(より高精度な計測)
LTHR×(概念すら知らなかった)○(179bpmを測定)
心拍ゾーン×○(LTHR基準で設定可能)
ランニングパワー×○(W単位で計測)
練習設計への導線なし(記録のみ)あり(心拍ゾーン基準のメニュー推奨)

ただし、心拍データの精度差については現時点では判断できない。Apple Watchもちゃんとしたデバイスなので、心拍データは正確だと思う。重要なのは、「取れるデータ項目数」と「そのデータをどうトレーニング設計に活かすか」という点での違いである。

Apple Watchだけで練習していたら、ここまで成長しなかったのは間違いない。そもそもランニングを続けようと思わなかったかもしれない。データ項目の違いが、トレーニング設計の精度と、ランニングへの興味の深さを変えた。

Change:トレーニング設計の変化——感覚ベースからデータベースへ

Apple Watch時代の週間メニュー設計は、完全に感覚ベースだった。Nike RunアプリのデータをスクリーンショットしてChatGPTに投げ、「どんな練習をしたらいいか」を聞き、それに出てきたメニューをやる程度。一応データベースではあったが、今ほど緻密に練習メニューを組むという感じではなく、その日その日で「どんな練習をしたらいいか」をChatGPTに聞いて感覚も使いながら設計していた。

🗺️ 要点
  • Apple Watch時代——感覚ベース+ChatGPT相談。その日その日で練習メニューを決める
  • Garmin導入後——心拍ゾーン基準の導入。上下動・設置時間を意識した具体的なメニュー設計
  • 最初の1-2か月——データを実験的に使いながら、体の使い方を覚えるフェーズ

Garmin導入後の練習メニュー設計は、心拍ゾーン基準の導入に加え、上下動を意識してランニングをする、設置時間を意識して練習するといった、項目に合わせたトレーニングメニューを実施するようになった。より具体的な練習メニューを設計するようになったのである。

現在は別にピッチをどうこうとか考えてはいない。練習の中で付属的にピッチというものもついてくるものだと思っている。しかし最初の頃は、どうやったら上下動が減るのかということを感覚的に分かっていなかった。取れるデータというものがどういうふうに算出されているのかというものを実験するフェーズが1-2か月は続いた。Garminで得られたデータをもとに、ランニングというのがすごく奥深いものなんだという意識に変わり、ランニングの楽しさを感じ始めた。

Data:LTHR 179bpmの測定プロセスとデータ解釈の質の変化

Apple Watch時代にはLTHR(乳酸閾値心拍数)の概念すら知らなかった。Garmin導入後、LTHR 179bpmを測定し、心拍ゾーン基準で練習設計するようになった。LTHR基準に切り替えたことで、Eペースの走行距離が変わった。この詳細については、過去記事「LTHR 179bpm、LT Pace 3:57/kmを活かす:閾値走の実践的活用法【サブ3達成への戦略】」で解説している。

データ解釈の質の変化について、Apple Watch時代とGarmin時代で同じ練習のデータを比較した場合、単純に取れる項目が違うのでデータの質は全然違う。

重要なのは、「データをトレーニングに活かす思考」がGarmin導入前後で大きく変化したことだ。Apple Watch時代はデータを記録するだけだったが、Garmin導入後はデータを分析し、それを練習設計に反映させるという思考プロセスが生まれた。

Philosophy:データを信じる理由との関連——哲学は変わらないが、活用の思考は変化した

「データを信じる」という哲学は、Garmin導入前後で変化していない。もともとデータを信じながら生活してきたつもりだ。しかし、そのデータを使ってどんなふうにトレーニングに生かすかという思考に至ったのは、Garmin導入前後で大きく変化している。

Garminで得られる情報量が、今までとは比べ物にならないほど多かった。それを活かした練習をすることによって、ランニングの力の向上もできるんだという認識に変わった。Garmin導入前後で相当な変化だった。

Apple Watch時代にデータと感覚の不一致を感じた経験は特に考えていなかったのでない。データを信じるという哲学は前から持っていたが、データをトレーニング設計に活かすという思考に至ったのはGarmin導入後である。この点について、過去記事「データを信じる理由:感覚と数値の統合で見えてきたランニングの本質」でも詳しく解説している。

Guide:初心者への推奨——用途で選ぶべきデバイス

現在Garminを選んで正解だったと感じる理由は、現状特に困っていないことと、Garminを使っている人が多いので「Garminを使っている人」というカテゴリーの中に入れているというところで親近感が湧くからだ。別にGarminに固執しているつもりもないので、他のデバイスでもっと正確な項目が取れるとか、もっと精度が高い情報が取れるんだったらそっちに行ってもいいと思っている。

用途推奨デバイス理由
ランニングを極めたいGarmin上下動・設置時間・LTHRなど多項目のデータが取得でき、練習設計の精度が向上する
日常使い+ランニングApple Watch汎用性が高く、日常にも溶け込める。機能もApple Watchの方が多い
初心者(ランニング特化)Garminランニングをもっと極めたいと思うのであればGarmin一択
初心者(日常使い重視)Apple Watch上下動がどうとか関係ない層には、Apple Watchの方が気分も高まるし使いやすい

ただし、Garminは日常に溶け込めないほどダサいデザインではないと思うので、用途によるという形だ。Apple Watchはとにかく汎用性が高く、日常にも溶け込める。その点ではApple Watchの方がいい。しかし、ランニングをもっと極めたいという風に思うのであれば、Garmin一択という形になる。

Migration:移行プロセスの具体的なエピソード——Garmin導入直後の感動と課題

Garmin導入直後、最初の練習で感じたのは、データの精度と使いやすさの圧倒的な違いだった。今までわからなかった上下動やピッチというものが、より具体的に精度の高いデータが取れていたというところがすごく感動した。

🗺️ 要点
  • データの精度——上下動・ピッチなど、今まで取れなかったデータが具体的に取得できた
  • 使いやすさ——ランニング中の操作が直感的で、データの確認がしやすい
  • デザイン面の課題——ストップウォッチの音がダサい、画面のデザインがかっこよくない
  • 設定の学習コスト——最大心拍数や心拍ゾーンの設定方法を学ぶ必要がある

ただし、Garminの欠点として言えるのは、ストップウォッチみたいな音がするのでそれがむちゃくちゃダサいというところと、画面というものが全然かっこいいのがないというところだ。相当頑張って設定をしていかないと、Apple Watchみたいなスタイリッシュなデザインでは全くない。その辺は注意が必要だ。

学習コストや慣れの期間については、Garminの設定ページだったり、ランニング中にどういう指標を見るのかみたいなものは最初から決まってはいなかった。また、Garminのデフォルトの設定で最大心拍数が設定されていて、その心拍ゾーンみたいなものもデフォルトのものが最初から採用されている。その辺はちゃんと変えるというところをやっていく。設定方法みたいなものは学ぶ必要がある。

Summary:データ項目の違いがトレーニング設計の精度を変える

Apple WatchとGarminの違いは、単なる機能比較ではない。取得できるデータ項目数の違いが、トレーニング設計の精度を変え、ランニングへの興味の深さを変える。Apple Watch時代は7項目のデータで感覚ベースの練習をしていたが、Garmin導入後は多項目のデータを分析し、心拍ゾーン基準で具体的なメニューを設計するようになった。

データを信じるという哲学は変わらないが、データをトレーニングに活かす思考はGarmin導入前後で大きく変化した。Garminで得られる情報量が、今までとは比べ物にならないほど多かった。それを活かした練習をすることによって、ランニングの力の向上もできるんだという認識に変わった。

初心者が選ぶべきデバイスは、用途によって決まる。ランニングを極めたいのであればGarmin、日常使い重視であればApple Watch。ただし、Garminは設定方法の学習コストがあることを理解しておくべきだ。週110kmを維持する方法については、過去記事「週110kmを維持する方法:ライフスタイルから導き出した数学的最適解【サブ3達成への戦略】」で詳しく解説している。

FAQ:よくある質問

Q. Apple WatchとGarmin、どちらを選ぶべきですか?

A. 用途によって決まります。ランニングを極めたいのであればGarmin、日常使い重視であればApple Watchを推奨します。Apple Watchは汎用性が高く日常にも溶け込めますが、Garminは上下動・設置時間・LTHRなど多項目のデータが取得でき、練習設計の精度が向上します。

Q. Garmin導入後、どのくらいで慣れますか?

A. 基本的な操作はすぐに慣れますが、最大心拍数や心拍ゾーンの設定方法を学ぶ必要があります。Garminのデフォルト設定では最大心拍数が設定されていて、心拍ゾーンもデフォルトのものが採用されているため、自分のLTHRに合わせて設定を変更する必要があります。最初の1-2か月は、データを実験的に使いながら体の使い方を覚えるフェーズになります。

Q. Apple WatchからGarminに移行するタイミングはいつがいいですか?

A. ランニングを極めたいと思い始めたタイミングで移行するのがおすすめです。私の場合は、ランニング開始から約1.5か月後の2025年2月後半に移行しました。ChatGPTとの対話で「上下動」「設置時間」というデータの存在を知り、Apple Watchでは取れないことに気づいたことがきっかけです。ランニングを続けたいという思いが強くなった時点で、Garminへの移行を検討する価値があります。

Q. Garminのデザイン面の課題はありますか?

A. ストップウォッチの音がダサい、画面のデザインがかっこよくないという課題があります。相当頑張って設定をしていかないと、Apple Watchみたいなスタイリッシュなデザインでは全くありません。ただし、日常に溶け込めないほどダサいデザインではないので、用途によっては問題ないと思います。

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この記事を書いた人

RuncersLAB運営。フルマラソンでの目標達成に向けて、論理的かつ科学的なアプローチでトレーニングに励む市民ランナー。 現在は「週110km」の走行をベースに、Vo2MAX61を基準とした独自のメニューを追求中。自身の体験とデータに基づき、42.195kmを「使い切る」ための戦略やギアレビューを発信しています。

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